作品タイトル不明
奴隷に対する常識
パーティーはまだ始まっていないが待っている間のために軽いアルコールと飲み物が提供されている。
「ミカはアルコールとジュースのどちらを飲む?」
「まだジュースで良いわ」
「もらってくるよ」
僕は壁側に待機しているスタッフにジュースを2つもらってミカのところに帰った。
数人の男性がミカに声をかけようと狙っているようだが、ミカの水色のチョーカーを見て退散している。
僕がミカを簡単に1人にしたのには 理由(わけ) がある。
主人では無く奴隷に直接話しかけるのは大変失礼な行為である。あくまでも奴隷は主人の物なのだから。僕を通さずに奴隷に直接話しかけるのは相当非常識な人だけだ。
まぁ僕にわざわざ話しかけてくる貴族も殆どいないだろ。
今まではいないものとして空気扱い。
今は面倒な奴という事で腫れ物扱い。
空気から腫れ物に変わって良かったのかな?
同年代の子どもからはたまに苦々しい視線を向けてくる奴もいる。
散々馬鹿にしていた僕がBランク冒険者になったことに戸惑いと妬みを感じているんだろうな。
もらったジュースで喉を潤しながらホールの反対側を見る。
シズカ・ファイアードが見える。
父親のベルク・ファイアードの姿は見えない。今日は筆頭執事として裏方で頑張っているのだろう。
カイ・ファイアージがシズカ・ファイアードに頑張って話しかけている。どうせ自分の自慢話でも話しているんだろ。報われない恋はつらいねぇ。