軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

到着したら即、本題へ

天正二十年(1592年)十月十五日

甲斐国 躑躅ヶ崎館

「虎次郎様!六三郎殿が、戻って来ました!しかも、何やら急いで虎次郎様に伝えないといけない事があるとの事です!」

「誠か!急いで大広間へお通しせよ!」

鉢形城を出立してから6日目。とうとう六三郎達は躑躅ヶ崎館に到着した。そして到着するとすぐに大広間に呼ばれた

皆さんこんにちは。武蔵国の鉢形城から、甲斐国の躑躅ヶ崎館までの、およそ三十里を5日半で走り抜けました柴田六三郎です

いやあ、本当なら馬で移動した方が早い事は分かっていたのですが、万が一にも、松田の進軍が早かった場合の事を考えて、

北条家の為に馬は残しておいた方が戦においては勿論、後々の褒賞での交渉で有利になるから、走りの方が良いと昌幸さんから言われて、走ったのですが

およそ120キロを5日半で走って、少し疲れたので、帰りは武田家から馬を借りたいお思います

それじゃあ、本題へ入りますか

「虎次郎様、仁科様、典厩様!お久しぶりにございます!」

俺の挨拶を聞いて、虎次郎くんは

「六三郎殿!もう、北条家でのお役目は終わったのですか?終わったのでしたら」

とても良い喜んでいたけど、そんな状況ではないので、

「虎次郎様!実は、まだ北条家でのお役目は終わっておりませぬ!主だった家臣の方々にも伝えなければならない事がありますので、集めてもらえますか?」

「は、はい!」

俺の言葉を聞いて、虎次郎くんが主だった家臣を集めたて

「六三郎殿!主だった家臣を集めました!どの様な事が起きたのか、教えてくだされ!」

本人も早く教えてくれと言っているので、伝えましょうか!

「それでは、お伝えします!先ず最初に、北条家で内乱が起こりました。内乱の首謀者は松田左衛門佐という者で、挙兵した理由は北条家が武田家へ割譲する事になった

上野国南部に自身の嫡男の領地があり、それを奪われる事に不満があったからとの事!現在は五千の軍勢で、上野国北部に進軍しているとの事ですが、

南部に攻め込む可能性はとても高く、上野国全域を征圧した場合、松田の軍勢は一万に到達し、他の国へ侵攻すると見て良いでしょう!それこそ、この甲斐国も例外ではありませぬ!」

俺の話を聞いて、家臣の皆さんからは

「その様な理由で謀反を起こすとは!」

「しかも、武田家の領地にも攻め込むじゃと?」

「虎次郎様!これは武田家も出陣すべきと思います!」

など、予想してたとおり、「出陣すべき!」との声が聞こえております

そんな家臣の皆さんの声を聞いて、虎次郎くんは

「六三郎殿。北条家の内乱に我々武田家が介入しても良いのでしょうか?もしも、武田家が同じ様な状況だった場合、北条家に介入して欲しくないのですが」

冷静に政治的な考えを口にする。まあ、間違ってはない!間違ってはないんだけど、

「虎次郎様、いえ、虎次郎殿!その考えは間違っておりませぬ!しかしですぞ?拙者の妹の江を嫁に迎える条件を思い返してくだされ」

俺が虎次郎くんに江と夫婦になる条件を思い出す様に伝えると、虎次郎くんは

「条件は、「五年以内に甲斐国を復興させる事と、二ヶ国、または二ヶ国分の領地を持つ事」でした」

条件を思い出す。俺はそれを確認すると

「虎次郎殿、甲斐国の復興は達成したと見て良いでしょう!ですが、五年以内に領地を手に入れる好機は、今しかないのですぞ!?此度の好機を逃したら、

恐らく、数年後の九州征伐だけが戦になるでしょう!そうなっては、江を嫁に迎える機会を失います!それに、甲斐国から九州への出陣は、とても多くの銭を消費するでしょう!

せっかく、甲斐国が復興したのに、また苦しい暮らしを領民に強いていては、これまでの苦労が水の泡になります!

そして、これが最たる理由ですが、虎次郎殿!そろそろ武田家がかつての苦難を乗り越えた事を示さねばなるまい!お父上の四郎勝頼公の様な広大な領地でなくとも

二ヶ国分の領地を保持し、周辺勢力に侮られない武田家である事を見せる為である事は勿論じゃが、拙者個人の意見として、妹を、江を嫁がせても大丈夫な男である事を見せてくれぬか?」

俺の言葉に、虎次郎くんは

「拙者が江殿を嫁に迎える為に、家臣の皆を巻き込んで良いのですか?」

家臣の皆さんを巻き込んでしまう事に悩んでいた。でも、虎次郎くんの言葉を聞いた家臣の皆さんは

「虎次郎様!いえ、御館様!御館様の嫁取りの戦、是非とも参加させてくだされ!」

「そうですぞ!嫁取りの為の戦をやってはいけないなど、誰も言っておりませぬ!」

「御館様!何も気にせず、出陣しましょう!」

「御館様!」

「御館様!」

「御館様!」

虎次郎くんを、「御館様」と呼んで、出陣の空気を高めている。その空気を感じた五郎さんは

「御館様。六三郎殿の言うとおり、この機会を逃したら、次の戦はいつになるか分かりませぬ。それに、武田家だけで戦うわけではありませぬ。そうですな、六三郎殿?」

虎次郎くんの背中を押しつつ、俺に確認する

「その通りです。此度、拙者が直接来た理由は、甲斐国復興に参加している7000人を連れていく為ですし、武田家の軍勢に拙者が率いる7000人、

そして、現在拙者が働いている鉢形城に居る軍勢がおよそ3000人。これでも、一抹の不安はありますが、

小田原城にいる北条家本家も動いている所です。それに、万が一を考えて、織田家へ文を送ります!

なので、最悪の状況は防げます!いえ、絶対に防ぎますぞ!」

俺がそこまで説明して、虎次郎くんは

「分かりました。武田家も北条家の内乱で上野国南部が奪われない為に、出陣しましょう!皆、元服前に初陣を経験する事になるが、よろしく頼むぞ!」

家臣の皆さんに出陣を決意して、頭を下げる。そんな虎次郎くんに

「御館様!その様な事、気にしないでくだされ!」

「御館様!歳など関係ありませぬ!」

「そうですぞ御館様!気にしないでくだされ!」

「元服しているかどうかなんて気にしないでくれ」と声を上げる。これは、俺も声をかけるか

「虎次郎殿。元服前に初陣を経験した男ならば、目の前に居るではありませぬか!」

「そう言えば、六三郎殿は」

俺の初陣の話を思い出した様なので、

「そうです。あの時の拙者は領地を守る為に出陣しました。此度の虎次郎殿も領地を守る為に出陣するのですから、何もおかしくありませぬ」

俺の初陣話を追加する。それを聞いた虎次郎くんは

「六三郎殿の初陣の話を思い出して、覚悟が決まりました。皆、儂の初陣であり、領地を守る為の戦に出陣じゃあ!」

上座で立ち上がる。その虎次郎くんに

「「「「おおお!」」」」

「「「「出陣じゃあ!」」」」

「御館様の初陣じゃあ!派手に行こうぞ!」

「「「「おおお!」」」」

家臣の皆さんも出陣の声を上げる。これで、出陣は決まったので、次は竜芳殿の元へ行って、勝二郎くんの事を話しておきますか。