軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第1295話 13番目を探せ⑨第一大陸の魔物

エリンの長いまつ毛が揺れた。

「エリン」

声をかけると、ピクッとして目を開けた。

「エリン、気分はどう? 大丈夫? 何があったか覚えてる?」

エリンはゆっくり起き上がった。

「えっと。合流して……テントに帰ろうと言ったのは覚えてる」

「それで倒れちゃったんだよ」

「え、あたしが?」

「僕の光魔法では効き目がなかった。おじさまが姉さまに聖力を使ってみたらって言って。姉さまがエリンに聖力をかけたら、エリンの表情が和らいだんだ」

「エリン、この傷、覚えてる?」

エリンはわたしが指差した手の甲を見て、あっと声を上げた。

「イガイガをやっつけていた時に、痛みがあった気がするわ。その時かな?」

「今はどう? もう大丈夫?」

エリンは立ち上がり、体を少し動かす。

「大丈夫! なんともない」

わたしたちはほぉーっと息を吐き出した。

さて。検証のお時間だ。

2、3頭いれば十分だったんだけど、なん頭も取ってきてくれた。その時の様子を身振りつきで教えてくれて、大変可愛い!

クイが取ってきたのは面妖なもの。

あのね。その……パックをした人の顔に足が生えたようなもの。

現物は目を閉じているからいいけれど、夜の森の中で目が開いているこれに遭遇したら気絶したかもしれない。

顔?の下半分は口だそうで。開いてきて、ベロがどれだけ中に引っ込めていたんだっていうぐらい長く伸びてきたっていうから恐怖でしかない。

クイはその伸ばされてきたベロを雷で仮止めをして、本体に蹴りを入れて倒したそうだ。

聖力を使ってみたところ、それは四本足の小さな獣で。その背中が真っ白の人の顔に見えなくもない姿をしていた。

アリが仕留めたのは四つ足歩行の魔物だけど。顔の周りに絵で太陽を描いた時のギザギザ?みたいのをつけている。毛ではなくて、鉱物で作ったような硬さのもので角のように生えているのとも違う。いずれにせよ、第二大陸ではみたことのない魔物ばかりだ。

アリは大量の氷を上から落とし動けなくして仮死状態になったところを仕留めた。顔周りのギザギザ以外は柔らかそうに見えたのに、攻撃が効かなかったんだって。それで動けなくしてじっくり調べてみると、首の後ろの一部部分だけ、(ギザギザの後ろにあたる)爪が通るところあって、そこを狙ったそうだ。

聖力をあてると、ハリネズミみたいに全身に棘を持った小さな四つ足の獣に変わった。

レオとベアが共闘して倒したのは、飛行ドラゴン型の魔物。暗い森の中だし木がいっぱいあるから飛行型が森にいるのは適してないとか思っちゃったけど、いたんだからそういうものってことなんだよね。

ベアもレオも魔法をお見舞いして下へと落とし、そこから攻撃したそうだ。

口が尖っていてノコギリ型になっている。

聖力をかけると、ちょっと大きめの鳥みたいなものになった。

アオが倒したのは魔物の木。

後ろから抜き足差し足でみんなに攻撃しようとしていたのを、アオが気づいたそうだ。それでアオの得意技、高速突っつきをして倒した。

死してもなおムンクの叫びみたいな顔をしていたけれど、聖力をかけると普通の木の魔物のようになり、顔もなくなった。

もふさまが倒したのは小型のゴーレムみたいなやつ。見知らぬ鉱物でできていて、見た目でも通常攻撃は効かないのではと思える。

もふさまは関節を徹底的に打ちのめして膝を折らせ、動けないようにしていったそうだ。大変だったろうに、なんでもないことのようにいうところが可愛い!

こちらにも聖力をかけると、見かけは石でできているようなゴーレムとなり、触った感じも強い力を入れればぼろっと崩れた。

兄さまの収納袋に入れてもらっていたオレンジ色のカメレオンとイガイガのことも話して、聖力を降り注ぐ。

こちらは姿はほぼ変わらなかったからなんでだろうと思ってツンツン触ってみると、どちらも戦った時より柔らかくなっていた。

聖力で姿や硬さが変わるということは、聖力でしか浄化できないような何かがついていたのではないかとわたしたちは思った。夜に凶暴化する魔物。瘴気は少なくなる。

なんて話をしていると夜が明けてきて胸が苦しくなってくる。

瘴気が増えた。

みんなはそのままテントで仮眠をとった。

わたしはルームで眠る。

お腹の音で起きると、もう夕方だった。

テントに戻るとまだみんな眠っている。

いや、兄さまがいない。テントの窓から外を見れば、兄さまは水色の鳥を飛ばしているところだった。

誰かから手紙が来たんだ。

「兄さま」

わたしはためらわず外に出たけれど、瘴気がやっぱり強い。

「アダムと連絡ついた?」

兄さまは眉を八の字にした。

「いや、まだだ。ロサ殿下がアダムと最後に会った時のことをみんなに聞いてるみたいだ。どうする?」

わたしは考える。

「一旦、家に帰ろうか。悠の探索は昼間がいいと思うから。

その間に、ロサたちと話をしよう」

「そうだね、それがいいかもしれない」

兄さまは何かを飲み込むように口を閉じ、瞼を伏せた。