作品タイトル不明
第1287話 13番目を探せ①瘴気の元
そのあといくつも質問をして、そして帰ってきた。
なんだか疲れた。そういえば寝るつもりだったんだ。
ベッドに飛び込んだところで、あの空間にワープしてたんだよなー。
わたしはみんなとベッドに伏して、そのまま眠ってしまった。
寝る時間がズレたからか、いつもの時間に起きることができず、朝ごはんの支度に顔を見せないわたしたちを心配して、母さまと兄さまがサブハウスのわたしの部屋まで呼びに来てくれた。
あれ、静かと思ったら、アオが翼を突き出す。
親指があったら上に立ててる感じだ。
サブルームはダンジョンと同じで普通の空間とは異なる。だから魔力を持っていても垂れ流したりしないとは思うけど、アオに寝ているときは魔力を抜いておいてとお願いしてある。わたしすぐ眠っちゃったけど、アオはちゃんと引き抜いてくれたんだ。
わたしも親指を突き出して、アオにありがとうを伝えた。
伸びをしてから急いで着替える。
みんなも眠そうだったけど、〝朝ごはん〟という単語で目がパチっと開いて、ご飯の部屋へ駆け込む。
魔力がないと声は聞こえない。けれど性格を把握しているからか、言いそうなことはわかるし、ジェスチャーやなんかで、そこまで不自由なことはなかった。
どうしても必要な時はアオが通訳してくれるしね。
みんな揃っている部屋へ行き、わたしは朝ごはんの支度を手伝わなかったことを謝った。
父さまとハンナにも挨拶をして、朝ごはんとなる。
「リディーが寝坊なんて珍しいね」
兄さまがパンを口に運びながら、わたしに水を向ける。
わたしはもふさまともふもふ軍団と目を合わせ、ちょっと口ごもる。
というか今、口の中いっぱいだから話せないだけなんだけど。
しっかり飲み込んでから、伝えることにした。
「昨日ベッドに入り込んだところで、水におぼ……精霊からの招待を受けたの」
「精霊からの招待?」
みんなの視線がわたしに集まる。
わたしは精霊たちがわたしたちの放出している瘴気に気づいて、そのことで尋ね、また頼みたいことがあって呼び出されたんだと話した。
瘴気を放出していることで、瘴気が世界の終焉問題から外れたと思っていただけに、悠の存在はみんなもショックを受けるかと思ったけど、そうでもないように見える。
兄さまが言うことには、父さまや兄さま、元生徒会メンバーも危惧していたようだ。お城の地下にある瘴気は放出できたとして、精霊の悠が瘴気になったのが事実でそれが元の瘴気の場合、そこからまた生み出されるのでは?と想像を働かせていたらしい。
わたしも遅まきながら精霊たちからの頼みごとを聞いた時に、そっか、大元となる瘴気となった悠をどうにかしないと、瘴気はなくなるものではないのかもと気づいた。
でもだからいろいろ聞いてみて。お城の地下にあったのは溜まりに溜まったものだし、集めてきたからあの量だったわけで。ある程度減ると一気に増えるものの、一気に増えたとしても世界を覆うほどではないと口ぶりからしてそう察した。
だから、そこまで緊急事項ではないようだ。
ただ、精霊が協力してくれると言質が取れたし、これを機に悠のことを探しておいた方がいいと思った。
精霊たちは呼べばいつでも一部を寄越してくれるそうだ。
世界の終焉時まで精霊の協力をしてもらう約束をしたから、これはラッキーなことだと思おう。
緊急性はないと知り、父さまも兄さまもほっとしたみたい。
「リディー、あなたは魔力を使わないようにしなくてはならないのだから、危ないことはしてはだめよ?」
母さまから確認が入る。
母さまは、わたしが魔力を戻してもらっているのをよく思っていない。
魔法を使うだけで、わたしが何かに蝕まれていくのではないかと心配しているのだ。
「危ないことはしないけど、ひ……時間に余裕があるのはわたしだけだし、調べたりだけはしたいと思ってるよ」
危ない。〝暇〟と言ってしまうところだった。
最初に〝暇〟発言をした結果、母さまの淑女講座が始まりそうになったのだ。
淑女とは奥が深く、はっきりいってお淑やかなスーパーウーマン。
それは自分から「できる」と言うのはナンセンスだけど、求められた時は全てできるのが淑女らしい。そんなばかな……。
専門家でもないのに、広く深くなんでも知っているべきで、支えるべきで。
ゆえに学ぶことは多くある。とが理論のようで……。
暇なら、母さまと一緒に学びましょうと、時間をかけて分厚い専門書を読んだ。母さまも。
母さまは自分の読んだ本に対して話すので、わからないことがあったら質問をするよう言われ、5時間の読書の後に、いきなり母さまのプレゼンが始まった。
質問すると長くなると思って、わからないことがもちろん出てきたけど聞かないでいるとバレ、このことはわかったの?と逆に質問をされ。あの1日は辛かった。辛過ぎた。……次の暇な時はわたしが読んだ専門書のプレゼンをすることになっている。いや、あの本理解するには3年ぐらいかかるから……。
淑女教育?を受けるくらいなら、悠を探す方がマシだ、絶対!
「リディーは何か考えがあるようだね、用事を片付けたらサブハウスに行くよ。
そこで教えて。私はそれをロサ殿下たちに話すから」
わたしはわかったとうなずき、ハンナを手伝って後片づけをした。
それからサブハウスに戻る。
アオに少しだけ魔力を戻してもらった。
『リディア、世界は広いぞ? フランツが言っておったが何か考えがあるのか?』
もふさまに言われてわたしはにっこり笑って見せた。