軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第1286話 精霊からの招待⑥頼みごと

精霊からのお願いって言葉からするとファンタジックで可愛らしいけど、何やら不穏なんですけど。

「その前に、わたしたちが聞いた、悠が瘴気になったというのは真実ですか?」

『事実でもあり、そうではないとも言える』

ん?

『聞きたいことがあり、願いたいことがある。

だとしたら、我らの知ることを全て話すのが道理。それはわかっている。

だが話すのは全てが終わった後にしたい』

え。

『それはなぜだ?』

もふさまが尋ねた。

『我らも推測していることはあるが、当人から聞いたことではない。だからだ』

「当人って誰でちか?」

アオが尋ねる。

『悠だ』

「悠はここにはいないのでしたね?」

尋ねれば「そうだ」と答えが返ってくる。

悠が瘴気になった。それで別に暮らしている。

悠は瘴気になっていない。けれど別に暮らしている。

どっちだろう?

『其方らは瘴気を実に繊細に世界に撒いている。瘴気に詳しいものがおるのではないか?』

「詳しくないですよ。わからないことだらけ」

『ではどうして決して溜まらず淀むこともない量を見極めておるのだ? どうやって?』

「瘴気と合わない体質の者がおりまして、その者でも具合が悪くならないギリギリの量に調節しています」

息をのむ気配があった。

『やはり、瘴気の気配に長けているものがいるのだな!』

興奮したような火のフラムの声。

まぁ、ぶっちゃけわたしなんだけど。

そういえば、魔力があってもなくても瘴気を同じように感じるのかな?

それは実験してみてもいいかもしれない。

『この者たちに頼もう!』

この声はミネラル?

のんびりしたトンの声もする。

『長兄、ここは決意する時では?』

12体の精霊がわたしたちを置き去りに会議をはじめてしまった。

積極的な反対意見はないけれど、わたしたちに任せるのもどうかって思いもあるみたい。

っていうか、わたしたち「やる」って言ってないんだけど、これは断れない流れ?

『おい、盛り上がっているようだが、私たちは引き受けるなんて一言も言ってないぞ?』

わたしたちの気持ちを代弁してレオが言ってくれた。

『でも、お前たちは世界を壊したくはないんだろう?』

おじいちゃんの声、知のコネートルだ。

え、どういうこと?

「それは、あなたたちの願いをきかないと、世界を壊すってこと?」

思わず口を出した。

『誤解するでない。我らの願いは瘴気を纏った悠を探してほしいというものだ。瘴気に気配に長けている者なら探すことができる。

其方らが瘴気を放出しているのは世界を壊さないためだと思っている。ひとところに集められていた瘴気をあそこまで減らした、それはあっぱれであるが、悠が瘴気を纏っている限り、ある域に達したら瘴気は一気に増える。さすれば世界にも瘴気が満ちよう。よって其方らも悠を探すことが必要となるから、利害が一致していると思ったのだ』

「待って。悠を探し出せば、というか探し出すだけで、ある域に達しても瘴気が一気に増えることはないの? 世界に瘴気が満ちることはないの?」

そこ大事だよね?

探し出したとしても、というか探し出すだけでは、根本的な解決にはならない気がするんだけど、どうなの?

『それははっきりとはいえぬが善処はする。悪いようにはせぬ。

それから、我らは其方らの味方になろうぞ』

「それは探し出すだけでは瘴気問題は解決されないということね?」

『そうなる。今の悠がいる限りは……』

オンブルが温度を感じさせない冷たさで言った。

ガクンとくる。

瘴気問題は片づいたと思ったのに、そんな簡単じゃなかったか!

『どうする、リディア?』

レオに尋ねられる。

「瘴気が増えるのはまずいわ。だから探すけど。

精霊の兄弟でも探せない精霊を、いくら瘴気の気配が苦……気配に長けていると言ってもみつけられるかはわからない」

『協力できることはなんでもしよう』

「では早速。悠のなんでもいい情報が欲しい。

瘴気を纏っているということだけ?

わたしはあなたたちの一部の小人の姿は見たことがあるけれど、本体はどんな感じ? 悠もそうなのかしら? いつ別れたの? どこで?」

わたしは矢継ぎ早に質問した。

だって瘴気の気配だけで探るなんて、そんな難しいこと……。

『我らの本体を見るといい……』

エトワーの空間と同じように、宇宙空間。

く、車座になってみんな座っていた。

……12の大仏さまに囲まれたと言ったら、その大きさの対比はわかってもらえるかな?

お、大きいんだ、本体……。

みんな整った顔立ちで美しいことは同じだけど、纏っている服、それから滲み出ているオーラ? 雰囲気で、ちゃんと別々に見える。

こ、こんなでかいんだ。

「ゆ、悠もこのサイズ?」

『サイズ?』

「大きさ」

『多分そうだと思う。最初から我らはこの大きさで、それは変わっていない。

悠の意識は奥深くに眠っているはずだ。そして瘴気を纏っている』

この大きさで瘴気を纏ってるの?

なんかそれだけで驚異。特にわたしには。