軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第1281話 精霊からの招待①光と闇

もふさまがトラサイズになって、レオ以外のみんなを抱き込んだ。

その時視界が光でいっぱいになって……。

ここは光の世界?

横たわっていたはずなのに、起き上がっているというか、浮いてる?

見るとみんなもだ。

そして洞窟の中なんかじゃない。本当に光だけの世界で、大きな青いドラゴンのレオもぷかぷか浮いていた。

『我らは精霊』

どこから? 声が反響して聞こえる。

けれど、光の空間の中にはわたしたちだけ。さっきの小さな小人精霊たちもいなかった。

『妹の〝水〟を助けてくれて感謝する! お礼と聞きたいことがあって招待した。失礼があったみたいだ、謝罪する。誰かを招待するのは初めてなんだ』

『お前は誰だ?』

レオが上を見上げる。

『我は光・レイヨン』

話しかけてきてた声だ。

『我は闇・オンブル』

気難しそうな、そんな言い方。

『我は火・フラム』

力強い!

『我は水・オードゥース』

涼やかな女の子だ。

『我は風・ルヴォン』

失礼だけど軽そう。

『我は地・テール』

重みがある。

『我は時・トン』

のんびりしてる。

『我は空・シエル』

女性声。軽やかだ。

『我は鉱・ミネラル』

なんだか楽しげだな。

『我は氷・グラス』

冷たい、ピシャリとした言い方。

『我は知・コネートル』

おじいさんの声っぽい。

『我は星・エトワー』

女の子だ。

ただ名乗っただけなのに、個性が溢れてる。

『我らが現ると人族は歓待する。我らもそれに倣うとしよう』

いや、え、なんか、少し、いやとても嫌な予感がするんだけどっ。

『最初は我、光・レイヨンが、其方らを歓待しよう』

光の中で雲でできたようなクッションに座らせられた。

360度の大型スクリーン、そこに映像が映し出される。

光の生まれるきれいなものを集めたミニフィルム。

水平線に現れる太陽から光が溢れていく。これは映像で見ているだけなのに〝光〟の力強さを感じる。なんて美しいんだろう。なんて神秘的なんだろう。

この景色は知っている。水平線ではなく、山々の谷間だったけど。

シュタイン領の町外れの家から家族みんなでお日さまが顔を出すのを見てたっけ。

暗かったところにいくつもの色が差し込まれ、山の谷間がよく見えるようになってきて、そこ形がはっきりとした時にはお日さまが顔を出していた。

その神秘な力の助けを借りて、母さまに入り込んでいた呪いを追い出した。

海の水面で照り返される光。自然に根付く美しい景色が映し出されていた。

急にいくつもあったモニターが、ひとつの画面となる。

『暁の女神が新たに生まれし精霊が 一(いち) 、光に祝福する』

こ、これって、地上に送り出される時の女神さまからの祝福の記憶?

暁の女神さまってあれだよね? 泣き虫の女神さま。

自分はいつか封印されてしまうんだって。だから全て今見えてることがいずれ見られなくなるそれが悲しいと悲しんでいる。確か旦那神が浮気して、それが取り返しのつかない罪になるって。未来視のできる女神さまはいつも嘆き悲しみ、それを憐れんだ他の神様が未来が見えるのは薄暗い明け方だけにしたという話。

聞いた時は聞き流していたけど。

なんか知ってるワードがちょこちょこ入ってきてる。

浮気して取り返しがつかないって、酒の神でもある享楽神のこと? 暁の女神さまの旦那だったの? え、ダブル不倫!?

いや、そこじゃない。

暁の女神さまは未来視ができた。いずれ自分が封印されることを知っていた。

その理由が旦那神の浮気であり、それによって封印されることを。

ええええええっ、えぐい。

え、それがこの祝福の後に封印されるって知ってたのかな?

それなのに、精霊に祝福を与えた?

不倫相手の子供に対して……。未来視はあるかもしれないことと捉えているからかもしれないし。神さまと人とは気持ちのあり方が違うんだろうけど。

でも封印されることを嘆き悲しんでいた女神さまだから。

辛い出来事には違いない。

でも映像の女神さまは美しいまま、優しい笑顔で祈りを込めている。

これから地上に降りる新しい命が力強く生きることができるように。

全てのものの光となり、皆を導けるように……。

ああ、なんて優しい顔をされるんだろう……。

小さな精霊たちがいっぱい出てきてくるくる、くるくる踊り出す。

楽しくて仕方ないというように。

わたしたちも引っ張られて、足場のない空中でくるくると回った。

ぐるんぐるんとも回転した。

目はなぜか回らず、くるくると回ることができた。

光、希望、楽しみ、そんなポジティブな言葉が浮かんでくる。

そうして身体を十分動かした時に、暗転した。

『我は闇・オンブル。其方らに安らぎを』

わたしたちはひとところにいるみたいだ。

もふさまの毛。アオの触り心地。ベアとアリとクイの少し硬めの毛の感触。

レオは小さくなったみたいだ。ツルツルの触り心地。

みんなが近くにいる。

暗闇……。闇の中で身体を休めるのはどうしてだろう? よく見えないから活動するには難しい。それならと休息をとる、そうも思うけど。

寝るって無防備だよね、一番。わたしたちは本能で知っているんだ。

闇は怖くないと。身を委ねることのできる安全なところなのだと。