軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

34-19 朝

そして、ラシール大陸方面のスカイラーク隊。

「欠片発見」

「対処開始!」

人が住んではいないといっても、生物は棲息している。

植物、動物、昆虫など。

それらを守るため、スカイラーク隊は全力を挙げた。

1つ、やや大きい欠片がスカイラーク隊の『弾幕』を抜けた。

「スカイラーク151、対処!」

だが、こんなこともあろうかと、老君は10機を低高度に待機させていたのである。

指示を受けたスカイラーク151は2秒で欠片を捕捉、1秒で処理した。

高度2000メートル、正にギリギリであった。

「欠片発見」

「大きいぞ。注意!」

それからも1時間以上、欠片に対処し続けたスカイラーク隊。

「欠片発見」

「対処!」

最後の1個を転送し終えたのは現地時間午前11時。

『ご苦労でした』

老君は、スカイラーク隊を労った。

被害としては、超高速で大気圏に突入した破片による衝撃波によるものがあったが、軽微で済んだのは幸いであった。

* * *

『破片『特大』、アルスとの距離1000万キロメートル。危険は脱したと判断します』

「終わったか……」

蓬莱島にいる仁は深く溜め息をついた。時刻は午前11時。

『 御主人様(マイロード) 、しばらくは私が監視しております。少しお休み下さい』

老君が仁に告げた。

「ああ、そうさせてもらおう」

仁Dの操縦席から立ち上がった仁は、大きなあくびをした。

そして背伸びをした仁は、自分を見つめているエルザに気が付く。

「ジン兄、お疲れ様」

「エルザ、お疲れ」

2人はそう言い交わすと、にっこりと微笑みあった。

* * *

ショウロ皇国では朝の6時を回ったところ。

空が白み、1つ、また1つと星は消えていった。

「星が見えなくなったな」

ほっと溜め息をついたのはラインハルト。

「あなた、終わったんですの?」

『 蔦の館(ランケンハオス) 』から娘ユリアーナを抱いて、ベルチェが出てきた。

「うん、終わったらしい」

「何ごともありませんでしたわね」

「ああ、そうだな。ジンに感謝だよ」

* * *

「何ごともなかったねー」

「平穏無事が何より、だよ」

「うん、おばあちゃん」

カイナ村では既に夜は明けはなたれていた。

念のため、まだ誰も畑仕事に出てはいない。

星が見えなくなっても、隕石が落ちることはあるのだから。

* * *

『『ウォッチャー』からの報告によりますと、落下による人的被害は0です』

「おお、やったな!」

『残念ながら、大気圏に突入した破片が衝撃波を生じさせ、それによる被害が数件。森の木々がなぎ倒されたのと、岩山が崩れたこと、この2件です。いずれもラシール大陸で、でした』

「それは……残念だが仕方ないな。墜落した隕石はなかったんだろう?」

『はい、 御主人様(マイロード) 。地表に達した破片はありませんでした。これは快挙です』

その苦労を知っている老君が仁を褒め称えた。

「いや、俺の手柄じゃない。エルザ、老君、礼子、スカイ隊、マリン隊、ランド隊、コスモス隊、 職人(スミス) 隊……みんながやってくれたからこそさ」

『私どもは皆、 御主人様(マイロード) によって作られたのです。ですから 御主人様(マイロード) のお力です』

「……ありがとう。そういうことにしておこうか」

『現地時間で正午を回れば、その国に危険はもうないと告げてもよいと思いますが』

「そうだな。その線でいこう。だが、今日1日は、警戒を怠るなよ」

* * *

「ジン君、やったわね……すごいわ」

月(ユニー) ではミロウィーナが画面を見て、仁を称賛していた。

「落ちついたら、また蓬莱島へ行きたいわね」

ペンダント型の 滅菌結界(ステリライズバリア) 発生機をそっと撫でながら、ミロウィーナは呟いた。

「そのときにはお土産を……『ジャック』、回収した破片ってあるのかしら?」

《はい、ミロウィーナ様。こちらに落下するような危険はなかったのですが、資源として使えそうなので11個、回収しました》

「そう。で、実際使えそう?」

《そうですね、2個は鉄質、3個は銅を含み、6個は石質でした》

「鉄と銅は使えそうね」

《はい》

「今回、ジン君はかなりの資材を使ったはずだから、少しでも補充してあげないとね」

《わかりました》

* * *

『『アドリアナ』、大型 力場発生器(フォースジェネレーター) とコスモス隊の回収に取りかかります』

司令室で寛ぐ仁に、老君が報告した。

「そうだな。大型 力場発生器(フォースジェネレーター) は無駄にはできないし、コスモス隊も早く回収してやってくれ」

『わかっております。……それから、蓬莱島に一旦回収した破片ですが、有用な資材を取り除いた後、破片『特大』と共にセランへ送り出します』

「そうだな、それでいい」

『軌道上に集積した破片からも素材を回収しようと思います』

「そうしてくれ」

なにしろ、蓬莱島で採掘される100年分以上の資源を使ってしまったのだ。

まだストックはあるとはいえ、補充しておくに越したことはない。

『 御主人様(マイロード) 、もう本当に危険は去ったようです。エルザ様とご一緒に、ゆっくりお休み下さい』

「第2波のほうはどうなんだ?」

『そちらは速度が違いすぎます。接近することはないでしょう。ですが万が一ということもありますので、宇宙空間で全て対処することにいたしましょう』

「そ、そうか」

蓬莱島時間で午後4時。

もう破片もさらにその欠片も、アルスに落ちてくる物はなかった。

「わかった。温泉にでも入ってくるか」

こうして、『長周期惑星モデヌ騒動』は終わりを告げたのであった。