軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

終、これからも

そうして、月日は流れて――

今日はフレンの五歳の誕生日。

次期国王として、ギルフォードは王宮で盛大なお祝いを催した。

だが同時に、彼女とずっと帝王学の勉強をしていたイヴァンが翌日には国に帰ることになっていた。

正装をしたイヴァンが、ドレス姿のフレンに手を差し出す。

「踊っていただけますか、皇女様」

「仕方がないですね」

そんな軽い声の掛け合いをして笑った二人が、大広間の真ん中で踊る。

その可愛らしく洗練されたダンスに、招待客たちは皆見惚れていた。

周りには楽しそうに妖精が巡っていて、まるでお伽話そのものだ。

子どもたちは目が合うと、嬉しそうに笑い合っている。エメリアはギルフォードの傍でそれを幸せに眺めていた。

――こうして、フレンの成長した姿が見られるなんて……。

フレンの五歳の誕生日、それはエメリアの命の期限でもあった。

だが、仮死状態の一件が功を奏したのか予言は見事に覆った。

メレディスと妖精王にも「しばらくは大丈夫」とのお墨付きをいただいている。

おかげさまで健康そのものだ。

そんなふうに思いを馳せている間にも、隣に立つギルフォードはそわそわしていた。

「……イヴァンのやつ、距離が近すぎでは」

「陛下、ダンスはそういうものです」

――将来、二人のどちらが嫁入りするかで大騒動になりそう……。

そんな想像もできてしまうくらい、ギルフォードの子煩悩に拍車がかかっている。

ダンスが終わって大歓声の中、フレンたちが戻ってきた。

二年ほどの時が過ぎて一段と凛々しくなったイヴァンがフレンに言った。

「今度は僕の国にも来てほしい」

「はい、そのうちに」

そう言ったフレンが少し背伸びをする。

そして、ちゅ、とごく自然にイヴァンの頬にキスをした。

「……っ」

イヴァンの顔が真っ赤になる。

その光景を微笑ましく見ていると、隣でギルフォードが一段とソワソワしていた。

「フレン、俺には」

「仕方ないですね」

フレンが屈んだギルフォードの頬にもキスをする。

「おかあさまにも!」

「ええ、嬉しいわ」

可愛い娘にキスをされる。キスをし返すと、えへへと幸せいっぱいにフレンが笑った。

この笑顔だけで他になにが必要だろうか。

「次はおかあさまと踊りたいです」

「もちろん」

お誘いを受けて、フレンの手を取る。

軽やかで明るい音楽に合わせてステップを踏んだ。

エメリアが男性役を引き受けたが、フレンは文字通り妖精のように華やかに踊っている。

確かな温もりを感じつつ、エメリアは微笑んだ。

「これからも、ずっと一緒ね」

「はい!」

そう言って、母娘二人で笑い合った。