軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

地中に潜む黒い弾丸

「地中十二メートル、報酬感知」

ゴーレムの試運転ということで生みの親である私が立ち合いをしている。

バトルキングは万が一にでもゴーレムが誤作動を起こして暴れ回らないか心配らしい。

それで今、ゴーレムに発掘作業をさせているんだけどこれがまたなかなか優秀だ。

いつの間にか魔道車と同じようにレーダーで地中にあるものを感知している。

掘り当てたのはまたもやグラモ人の遺産だった。それは生活用品や娯楽の道具と様々だけど、バトルキングとドワーフの学者達は大喜びだ。

「今までにこんなことがあったか!?」

「バトルキング、こちらはグラモ人が使用していたと思われる道具ですが……妙な形状をしています」

「なんだ、こりゃ? Yの字の先に玉がついてやがる。魔道具とも違うな」

「使用用途がさっぱりわかりません」

あ、それたぶん顔に当ててコロコロするやつだ。小顔になれる道具です。尚、効果は個人差があります。

こんな感じで発掘されるものすべてが有用なものとは限らない。

それなのにあのゴーレムは誰に似たんだか、いちいち報酬感知とか言って掘り当てる。

そのたびにミリータちゃんがジットリとこっちを見てくる。

授業中に先生の口からエッチな単語が出たらこっちを振り返ってくる奴みたい。

そうこうしているうちにゴーレムが妙な場所を掘り当てた。

「いやぁ、こりゃ捗る! マテリ、おめぇはいいもん作ってくれたぜ! ガハハ!」

「じゃあ、そろそろ私も発掘に行っていいですか?」

「おう! ゴーレム製作の報酬はたっぷりとくれてやるからな!」

「はい。期待に胸を膨らませて待ってます。それでは……」

私達がバトルキングと別れようとした時だ。

轟音と共に土壁が壊れたと思ったら、その先にあるのは地下の空洞だった。

ゴーレムが何かを掘り当てたらしい。

「ここは地下洞窟か? 学者、何かわかるか?」

「天然の空洞にしては妙ですね……。かといって人の手が加わったとも思えない」

「待て! 何かいるぞ!」

暗闇の向こうから音がする。カサカサと何かをこするような音だ。

私、すごく嫌な予感がします。

「お、おい! 何か来るぞ!」

「あ、あ、あれは……虫!?」

暗闇からやってきたのは黒い虫の大群だ。しかも黒いアレに似ている。

これはアレだ。地下に眠っているものがお宝とは限らない。

そもそもゴーレムだって私達が討伐しなかったら、普通に殺戮兵器だからね。

虫の数が尋常じゃなくて、あんなものを相手にするなんて報酬があってもきつい。

「バトルキング! 穴をふさぎましょう!」

「間に合うか! ちょうど体が鈍っていたところだ! ぶっ殺してやるぜぇ!」

バトルキングがあの虫の大群に飛び込んでいった。

信じられない。一切報酬がないのに戦いに身を投じるなんて、どうかしてる。

しかも笑いながら大斧を振るって虫の魔物を次々と切り裂いていた。

「グワッハッハッハッ! いいぞ! 虫ケラども! 個々がザコならこうするしかないわな! 大軍もまた力よ!」

大斧を持って回転しながらバトルキングが虫を撃退している。

強いな。それに見ていて爽快感がある。

ああいうのをバトルジャンキーって言うんだろうな。それに比べたら私なんか、かわいいものだ。

「マテリ、オラ達は離れるぞ。おめぇ、どうせミッションが出ねぇから戦う気ねぇだろ?」

「そうだね。王様が全滅させるまで私達は魔道車の中でおとなしく……」

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ミッション発生!

・ゴッキロンの大群を全滅させる。報酬:ゴーレムの核×20

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「ミリータちゃん。あなたはドンチャッカ国の国民でありながら、王様に対する忠誠心というものはないの?」

「あ、はいはい。やるべやるべ」

バトルキングは国王の鑑だ。上に立つ者として先陣を切って国を守る。

身を挺して戦うなんて、どこの国の王様にできるの?

いつかのスキルキングは間違ってもそんなことしない。

私は国民じゃないけど、あの人の背中を見て心が動かないわけがなかった。

あれを見て何も感じずに安全なところに逃げようとするのは人間のクズだ。

「報酬感知、殲滅しまス」

「ゴーレム君も同じ想いだね! 私達も王様に続こう!」

機械だろうと心はある。そう感じた瞬間だ。

さすが機神と呼ばれたゴーレムだけあって、冷凍ビームで虫達を大量に殲滅していく。あの破壊力は頼もしい。

ゴーレムだってあくまで目的に従って動いているだけだ。

決して報酬があるからとか、そんな邪な心は抱いていない。いないけどあの虫気持ちわるぁぁあいいい!

「ファボアァーーーーーーーーーッ!」

「ゴッキャァァーーーー!」

「何がゴッキャァだやっぱりゴキブリじゃないかぁぁーーーーーファッボァーーーーーール!」

「ゴキキィーーーーー!」

よく見なくてもキモい! 考えてみなさいよ!

キッチンに出ただけでうわってなるものが巨大化して大群で迫ってくるんだから!

ちなみにミリータちゃんはよくできた子だから魔道車のキッチンはきっちんと掃除してあんなもんが出ないようにしてる!

それでも出るもんは出るからきっちんと駆除してくれるから助かってるぅ!

「おぉ! やっぱり強いなぁ! これが終わったらお前と戦わせてくれや! ガハハ!」

「うるせぇ無駄口叩くなぁーー!」

「ん?」

今、バトルキングが話しかけてきた?

いやいや、王様にタメ口とかあり得ないから気のせい!

カサカサと洞窟の壁を這ってきて気持ち悪いからファボボボファァーーボァーー!

「さすが師匠!」

「うるせぇ無駄口叩くなぁーー!」

「はいっ!」

今、フィムちゃんがさすが師匠した?

いやいや、そんなことより一匹でも駆除してとっとと報酬ゲットするんだってぁ!

ファファファファファファボッアァーーーーール!

「ど、洞窟が!」

「崩れる!」

「マテリ! おめぇ無茶しすぎだべ!」

聞こえねぇーーー!

ファボアァーーーーーーール!

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ミッション達成! ゴーレムの核×20を手に入れた!

効果:ゴーレムを動かすのに必要。

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洞窟全体が揺れて崩落が始まった!

知らねぇーーー! 報酬ゲットォーーー!