作品タイトル不明
第38話 魔法陣
そもそも魔法陣というのはどういうものなのかという理解する必要があると感じていた。
「ざっくりとした理解しかないのですけど魔法陣っていうのは魔法を発動する為の補助装置みたいな物って考えで良いです?」
「どちらかというと魔法陣を使った魔法は、弾が魔力で魔法陣自体が砲身といった感じかしらね」
「そのほうが近いと思います!」
なるほど補助ではなく魔法陣そのものが本体。
「だったらまずこの魔法陣自体を改良するのが良いんじゃないですかね?まずこの大きさが必要な理由ってなんですか?」
そもそも魔法陣の規模が大きすぎるのだ。
通常の魔法陣は直径3メートルほどだというのに召喚魔法陣の大きさは、18mほどになる計算なので6倍以上の大きさが必要になる。
「基本的に魔法陣が大きくなる理由は、発動する為の魔力の量が関係しているわ」
とエルナが説明をしてくれた。
大量の魔力を送り込むにはそれに見合った砲身、つまり魔法陣が必要という事だった。
「つまり使用する魔力の多いから魔法陣も大きくする…それって必要な魔力がわかるものなんです?」
「そもそもが魔力に見合った魔法陣じゃなければそもそも魔法は発動しないわ」
「それで発動するまで魔法陣を大きくしていったと…この大きさになるまで何度も試した感じです?」
「基本的には成功しないのであれば倍にして試すから、これの半分の大きさでこの世界の人間であれば召喚可能だったわ」
それならまだ小さく出来る可能性はある。
いやそもそも根本的な見落としが…。
「あ、気になったのですがアヤネは転移に使用した魔法陣ってこんなに大きくないですよね?」
そもそもあいつがこっちに送ってきた手紙にかかれていた魔法陣はA4用紙と同じ位のサイズだ。
余白も入れるならもっと小さい。
「それ見せてもらってもいいですか!?」
とメイが興味を示した。
手紙を持ってきて見せる。
「一体どうやってこんな綺麗な魔法陣を書いてるんですか!?」
「これは盲点だったわね」
と2人が魔法陣を見てなにやら驚いていた。
「まず最初に説明してもらうと魔法陣っていうのは手書きしてるのよ」
「そうですね、この世界には印刷っていう概念がないみたいなのですべて手書きになりますね」
活版印刷位はあるのかと思っていたが、すべて手書きらしい。
文字を書く職業のあるそうだ。
「こんな精密な魔法陣は私達には書けない」
「魔法陣には精密さが必要なんですか?」
「さっきもいったけどこれは砲身だからね、精密であれば精密であるほど精度が上がる」
と言われて…なんとなく言っている意味が理解出来た。
魔力は弾と言っていたが、砲身は現状この世界の技術で描かれた魔法陣は投石機、悪く言えば原始的な武器で命中精度等が低い。
しかし、あちらの世界で描かれた魔法陣は淀みもズレもない言わば拳銃に近いのかもしれない。
「つまりこれくらいの精度で魔法陣をかければ小さく出来る?」
「こんな魔法陣がかけるなら大きさ100分の1いや、もっと小さく出来ると思います」
とメイが答えた。
「そういうことなら明日には印刷機を用意しますよ」
という訳で早速プリンタを注文した。
念のため、大判印刷出来るプリンタにしておいた…。
たっか…と少し思ったが残高を考えれば大した額ではない。
こちらでは不要だと思っていたが…ネット環境はなくとも使いそうだったのでパソコンも一緒に注文した。
スマホでも書けるが、見た限り魔法陣は色々と細かく描く必要がありそうなのでペンタブも合わせて注文しておいた。
これで魔法陣のサイズが調整できればもっと楽になる。
「あ、でも魔法陣って使用者の血を混ぜないといけないんですよね?」
「そうね、じゃないと使用できないわ」
インクにどうやって血を混ぜたのかとも思ったが…。
「それってどれくらい混ざってればいいんです?」
「ほんの少しで大丈夫よ、私は魔法陣を書く時のインクに少し血を入れてあるだけだもの」
とのことだった。
印刷にどれくらいの影響が出るか不明だが、少しでいいのであればインクに血を垂らしておけば大丈夫そうである。
とそこでインクもいるじゃん…と思い再度追加注文しておいた。
合わせて血を入れるようのスポイトなんかも注文する。
「レーザープリンタにしなくてよかった…あぶねぇ」
と呟く。
そこで…あることを思い出す。
「そういえば魔力がないと霧散するってどういうことです?」
「ああ、アヤネが言ってたことね…こっちの世界だと魔力は基本的にどこにでもあるから試せないわね」
どこにでも…そこに少し引っかかりを覚えた。
「そういえばそのインクって何で出来てるんです?」
「ああ、ススを集めて水で溶かした奴よ」
没食子インクだったっけか…文化を調べるのに当たって中世の文化を本で読んでいた時に買いてあった。
「それって消えたりしないんですか?」
すでに書いてある魔法陣に転移魔法で飛んだりしているが、インクで書いているのであれば消えたりしないのかと不思議に思っていた。
「転移魔法陣に関しては隠蔽の魔法も仕込んであるので本人がいないときは見えないようになってるのよ、後は保護魔法もかけてあるから意図的に魔法でもぶつけない限りは消えないわ」
その超技術のほうが気になるんだが…。
魔法が便利すぎるから文明が発展していないのではないだろうか…。
と思われるような事が本当に多すぎる。
その後、2人でこの精度で描けるのであれば…と魔法陣を改良するらしくその間に俺は夕食の支度をすることに…。
さきほどの話を聞いた限り、隠蔽魔法も保護魔法も恐らく周囲の魔力を消費している。
しかし、この世界には魔力が溢れているからこそそれを維持することが出来る。
それがない世界だからこそ魔法陣は維持出来ない。
「存在してるだけで魔力を消費する何かがあるってことなのかも…?」
とぼそっと呟く。
後ろから視線を感じて恐る恐る後ろを振り向く。
「そうか、それだ!」
「魔力を消費する術式を排除すれば!」
と何やら思いついたらしく2人は一斉に何かを書き出していた。
本職にまかせて俺は料理を続ける事にした。
そして夕食の時間にはある程度の目処が立っていた。
やはり普段の様子からは想像がつかないが2人ともしっかり賢者だったようだ。