軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

番外編『ジェイドの道具屋繁盛記』 その43

「あっ、ジェイドさんが戻ってきました! 流されたのかと思いましたが、やっぱりジェイドさんはすごいですね!」

岸に掴まり、顔を出した瞬間に、アルフィが興奮した様子で近づいてきた。

早めに戻ってきたつもりだったが、どうやら心配をかけてしまったようだ。

「心配かけて悪かった。この通り、ピンピンしているから安心してくれ」

「心配していたのはアルフィだけだけどな。俺は大丈夫だと確信していた。それで……滝の下に洞窟はあったのか?」

「ああ。半信半疑だったが、本当に滝の下に洞窟があった。軽く覗いてみたが、お宝がありそうな雰囲気だったぞ」

俺がそう報告すると、アルフィは興奮したように跳び跳ねた。

「すごい! 本当に滝の洞窟が存在するなんて思いませんでした! 早速探索に行きましょうよ!」

「アルフィ、ちょっと待て。滝の下に洞窟があったのは良かったが、俺たちが行けるかどうかは別だろ。川の流れを見ていたが、少なくとも俺は無事に泳ぎきる自信はない」

「た、確かにそうですね……。洞窟があるって分かったのに、行けないのは悲しすぎます!」

跳び跳ねるほど喜んでいたアルフィだが、行けないと分かった瞬間、あからさまに落ち込んでしまった。

この姿を見てしまうと、どうしても連れていってあげたくなる。

「危険はあるが、方法がないわけじゃない。俺と二人の体を紐で括りつけて、引っ張る形で進めば、溺れることはないと思う」

「なるほど! でも、溺れてしまった時はジェイドさんも巻き込むことになるんですよね?」

「最悪、魔法を使って無理やり脱出することもできるから、そこまで心配しなくて大丈夫だ」

「むむむ……。い、行きたいです! 単純に迷惑ですし、断るのが筋だと思うんですけど、僕は行ってみたいです!」

「そんなに大変なことじゃないから、力を抜いてくれていい。まずはアルフィから滝の下の洞窟に行き、問題なければセルジも迎えに来る」

ということで、俺とアルフィの体を紐で結び、滝の中に再びダイブすることにした。

アルフィは緊張しているのか、目の焦点が定まっていない。

「大丈夫か? 合図を出すから、息を思いきり吸い込むんだぞ」

「わ、分かりました!」

俺はゆっくりカウントダウンを行ってから、川の中に飛び込んだ。

アルフィもしっかり飛び込んでくれており、ここからは俺が引っ張る形で、先ほど確認した滝の下の洞窟まで泳ぎきるだけ。

二人分の水の抵抗がかかっているため、先ほどとは比にならないくらい重たく感じるが……この程度であれば問題ない。

ばた足の威力を強めて、一気に滝の下の洞窟へ向かう。

「ぶはっ! はぁ……はぁ……。ジェイドさん、すごすぎますよ! 川の勢いで体が流されると思いましたが、ジェイドさんの泳ぐ力の方が強いんですもん!」

「褒めてくれてありがとう。とにかく、ここが滝の下の洞窟だ」

「ここがそうなんですね! 水流にぐちゃぐちゃにされている間に着いたので、よく分からなかったんですが……それっぽすぎる場所です!」

「それっぽいじゃなくて、正真正銘、滝の下の洞窟なんだけどな。とりあえず、俺は一度戻ってセルジを連れてくる。アルフィはここで待っていてくれ」

「分かりました! 絶対に戻ってきてくださいね!」

さっきと同じ要領で戻り、今度はセルジと紐で結んでから、滝の下の洞窟に戻ってきた。

慣れてしまえば、どうということもなく、あっさりと戻ってくることができた。

「ここが滝の下の洞窟なのか」

「雰囲気がありますよね! お宝がありそうです!」

「確かに雰囲気はあるが、常人が来れる場所なのか? ジェイドは化け物だから俺とアルフィを連れて来られたが、例の大盗賊が来られた可能性は低いと思っちまう」

「その辺りの真偽を話し合っても答えは出ないだろう。洞窟を探せば、自ずと答えが出る」

「確かにそうだな。なかった時にガッカリしたくはないから、俺は期待しすぎないようにするが……全力で探索するぜ」

「僕は期待しながら全力で探します! このワクワク感がたまりません!」

セルジも口では期待しすぎないと言っているが、明らかにテンションが上がっているように見える。

まあ、かく言う俺も期待しているし、三人で宝探しという状況も楽しくなっている要因の一つなのは間違いない。

つい浮かれてしまいそうになるが、滝の下の洞窟は初めてだし、どんな危険があるか分からない。

酸素の問題もあるし、未知の魔物が存在する可能性もゼロではないからな。

「ジェイドさん! その岩陰に何か変なのがありますよ!」

警戒しながら進もうとした矢先、アルフィが何かを見つけたようだ。

指さした方向を見てみると……あからさまに怪しい箱が置かれていた。

まさかとは思うが、もう見つけてしまった感じだろうか?