軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

22 始祖エルフ

「見ちゃったのね」

メルヴィが寂しげな表情で言った。

「……まずかったか?」

「ううん。好きに見ていいって言っちゃったしね」

メルヴィはふよふよと水晶の前まで飛んでいく。

「今から、千年以上昔のこと。悪い魔法使いが、この 郷(さと) を襲ったの」

「悪い魔法使い?」

「うん。わたしはまだ生まれたばかりだったから、詳しいことはあんまり。でも、ご主人様はわたしたちを逃がして、悪い魔法使いと戦ったの」

だけど、とメルヴィは続ける。

「……避難したわたしたちがいくら待っても、ご主人様からもう大丈夫だよっていう連絡はこなかったの。わたしたちはおそるおそる 郷(さと) へと戻ったわ。そしたら――」

その時には既に、「ご主人様」は今の状態だったという。

「ステータスを見たならわかってるでしょ。ご主人様は、この水晶の中で時間を止められてる。ううん、たぶんだけど、ご主人様は水晶の中に閉じ込められた瞬間に、【時空魔法】で自分の時間を止めたんだと思う」

確かに、「ご主人様」を水晶の中に閉じ込めた存在が、わざわざ時間を停止させたとは思えない。

「ご主人様」が自分の身を守るために、しかたなく、時間を停止させたのだろう。

「それで、この水晶は解除できないのか?」

「……できない。少なくとも、わたしの力じゃできない。この水晶――剥落結界が、どういう魔法で作られたものなのかもわからない」

メルヴィが暗い顔でうつむく。

「水晶自体は、そんなに固いわけじゃないの。むしろ脆いくらい」

これを使って削ってみて、とメルヴィがノミのようなものを渡してくる。

っていうか、今どこから取り出した?

「それは次元ノミ。この剥落結界を削るために作り出した魔道具よ。――さあ」

メルヴィに言われて、俺はノミで水晶をつついてみる。

つつくだけでは傷ひとつ付かない。

今度は強めにノミの刃を振り下ろす。

パキッ、と軽い音がして、水晶の表面が薄く剥がれ落ちた。

俺はその薄片を拾う。

表面の大きさはスマートフォンくらいだが、厚さは1ミリ程度しかない。

縁は指が切れそうなくらい鋭い。

「これは……?」

「1回で削れるのは、それだけよ。どれだけ魔力を込めても、力を込めても、1回で剥落するのは、絶対にそれだけ。だから、剥落結界と呼んでるの」

魔力がわずかに吸われたような感覚があった。

【鑑定】で確かめると、MPが1減っていた。

MP1消費で厚さ1ミリか。

「これまでにも、ここまでたどり着いた人間はいたわ。封印を解除しようとした人もいた。でも――」

初めは忍耐強く水晶の表面を削っていた人たちも、それが何ヶ月も続くと耐えられなくなったという。

「だが、水晶の厚さは1メートル――俺の肩幅よりちょっと広い程度だ。

剥落する破片がいくら薄いとは言っても、千回もやれば奥には届くだろ。

なんとかなりそうな気がするけどな」

「――再生するのよ」

「え?」

「水晶が、再生するの。――見て」

削った場所がぼんやりと発光する。

その光が消えた後には――やはり、元の水晶がある。

目を凝らさないとわからないが、削った分の厚みが元に戻っているようだ。

「……なるほど、こりゃ無理だ」

どんな攻撃でも一度に剥がれるのは薄片一枚。

その薄片も剥がれた端から埋まっていく。

単に固い結界なら、それ以上の力で壊せばいい。

そういう希望を持つことができる。

でも、剥がれるには剥がれるが、剥がしきることは絶対にできない。

これは、結界を解こうとする者にとって、精神的にかなりキツい。

この結界を生み出した奴の性格の悪さがよくわかる、陰険きわまりない結界だ。

「何人かの魔術師で組んで連続で魔法を叩き込んだこともあるんだけど、攻撃のタイミングが近いとまとめて1回と見なされるみたいで――全員がMPを使い尽くす勢いで飽和攻撃をかけても、薄片1枚しか削れなかったわ」

つまり、地道に削っていくしかないってことか。

「でも、一応、削った箇所の再生は完全じゃないことがわかってるわ。一日にまとまった量――わたしの身長の半分くらい掘り進めると、その後の再生が少しだけ小さくなるのよ」

メルヴィの身長の半分くらい=およそ10センチ。

単純な厚みでは、薄片100枚分。

しかし、中に入ってる始祖エルフの女性が通れるだけの幅を確保しようと思ったら、スマホを縦横に10個ずつ並べた程度の面積はほしいので、1ミリ進むごとに100回の作業が必要だ。

1ミリ当たり100回を100回で、1万回。

……待てよ?

「中の人がしゃがんで通れるだけの幅でトンネルを掘って、中の人の周りだけ広く削れば、少しは楽にならないか?」

「それがダメなのよ。

この剥落結界は、互いを補完しあう仕組みになっているらしくて、奥に向かって長いトンネルを掘っても、すぐに塞がってしまうの。

再生が少しだけ鈍くなるのは、こちら側の結界をまんべんなく削った場合だけよ」

「少しだけって、どのくらいだ?」

「……薄片1枚分くらい」

「つまりそのペースで掘っても1日1ミリしか進まないのか」

そのペースでは、封印を解くまでに千日かかることになる。

1日1ミリしか進まない作業を千日続ける――インドあたりの苦行僧を連れてきたとしても、まず耐えられないような作業だ。

「一日辺りのペースをもっと上げられれば……」

「わたしの身長の半分くらい掘るのに、1万回は必要なのよ?

妖精は周囲から魔力を吸うことができるから、1日になんとかそのくらいまでならできるけど、普通はその前に魔力が枯渇するわ」

1回3秒として30000秒、500分、8.3時間。

確かに、一日に作業できる限界に近い。

いや、完全に限界を超えてるな。

正気の人間は、1日8時間もぶっ続けで、水晶の薄皮を剥がす作業になんて没頭できない。

しかもその水晶は、翌朝になると、99%元通りになっているのである。

そんなもん気が狂うわ。

しかも、作業者はMPが10000以上あるか、妖精のように魔力の回復が早い必要がある。

そんなのは一握りの大魔法使いくらいだろうが、そんな大魔法使いがこんな発狂しそうな作業に膨大な時間を割いてくれるわけがない。

「何人かで交替しながらやれば……」

「どういう仕組みだかわからないけど、複数人の魔力が混ざり合うと、再生が早くなるのよ」

水晶を剥落させる作業に関われるのは、一度に一人だけってことか。

「ちなみにこれまでの最長記録は?」

「……7ヶ月。

魔法神アッティエラの加護持ちで、膨大なMPを持つエルフの修行僧の人だったわ。

淡々と作業を続けてたから、もしやと思ったんだけど、ある日剥落した薄片で指に怪我をしてね。

怪我自体はよくある切り傷だったんだけど、色々溜まってたんでしょうね。

それをきっかけに奇声を上げて暴れ始めちゃったの。

あの時はこの 郷(さと) の妖精総がかりで錯乱状態を治したんだけど、正気を取り戻したその修行僧さん、一から修行をやり直すって言ってそのまま旅に出ちゃった……」

それはお気の毒に。

「だからあんたも、間違ってもご主人様の封印を解こうとなんてしちゃダメよ。

自分のために誰かが発狂しただなんて、ご主人様が喜ぶはずないもの。

わたしだって、そりゃご主人様に会いたいけど――」

「――ま、とりあえずやってみよう」

「見ず知らずの人にそんなこと頼むわけにはいかないっていうか……って、やるの!? あ、あんた、わたしの話、ちゃんと聞いてた?」

俺は、早速作業に取りかかる。

水晶にメルヴィからもらったノミを当てて削る。

パキ、と氷が割れるような音をして水晶が剥落する。

厚さはさっきと同じだ。

作業の効率化のために、最小限の力加減を探ってみよう。

軽くつつく。これはダメ。

肘から先で勢いをつけて叩く。これは成功。

もう少し軽く、金槌を叩くような感じで叩く。うん、成功。

さらに軽く、ドアをノックするような強さで叩く。失敗。

ノックを強めに。成功。

じゃあ、このくらいの強さでやっていこう。

次に、叩く間隔の調査だ。

叩く、剥落する、すぐ叩く。失敗。

叩く、剥落する、5秒数えてから叩く。成功。

叩く、剥落する、3秒数えてから叩く。成功。

叩く、剥落する、1秒数えてから叩く。失敗。

叩く、剥落する、2秒数えてから叩く。成功。

叩く、剥落する、1.5秒くらいで叩く。成功。

叩く、剥落する、1.2秒くらいで叩く。失敗。

叩く、剥落する、1.4秒くらいで叩く。成功。

叩く、剥落する、1.3秒くらいで叩く。失敗。

結論、およそ1.4秒(目分量)間隔で叩けばいい。

そこまでわかれば、やることはシンプルだ。

1.4秒間隔で、強めのノックくらいの強さで、水晶にノミを叩きつける。

パキ、パキ、パキ……と一定のリズムで水晶が剥がれていく。

「あ、あんた……?」

メルヴィが驚いた顔で俺の作業を見つめている。

俺はその後も、数え切れないくらいノミを振るった。

気がつくと、洞窟の地面に、剥がれ落ちた薄片が、山のように積み重なっていた。

ん? メルヴィがいないな。

と思ったら、重そうにティーセットを抱えたメルヴィが、入口の方からふらふらと戻ってきた。

「あまり根を詰めないでよ? もう3時間もやってるじゃない!」

そういえば、ノミを持つ手がちょっと痛いな。

疲れてはいないのだが、小さなものとはいえ、水晶を叩く時の反動が負担になるようだ。

「ちょっと見せて。――人の子に宿る生命の精霊よ、今こそその力を振るい、人の子の身体を賦活せしめよ」

メルヴィの言葉とともに、俺の腕を淡い輝きが覆い、腕の痛みが消えた。

「おお!」

「これが【精霊魔法】よ。今のはエドガーの身体に宿る生命の精霊に呼びかけて、回復を助けてもらったの」

「俺も覚えられる?」

「人間には難しいけど、不可能ではないはずよ。森羅万象の中に潜む精霊たちの声に耳を澄ませるの。その声が聞こえるようになったら、おのずとお願いのしかたもわかってくるわ」

「精霊の声を……聞く?」

「こればっかりは説明のしようがないわ。精霊の存在を信じて、精神を研ぎ澄まし、ただひたすらにその声を聞こうとするの。妖精なら生まれてすぐでも自然にできるんだけど、人間だと一日何時間もかけて修行して、何年も経った頃にようやく、という感じかしらね」

へえ。便利そうだし、今度試してみよう。

何年もかかるようだとさすがに諦めることになるかもしれないが、今の俺の集中力なら、夜通し最高の集中状態で精霊の声を聞こうとし続ける、なんてこともできそうだ。

俺はメルヴィの淹れてくれたお茶を飲み終えると、再びノミを手に取った。

「だ、大丈夫なの……?」

メルヴィが心配そうに言ってくる。

「ああ。もう少しやってみる。メルヴィの身長の半分くらいで回復が鈍くなるっていうのを見てみたいし」

パキ、パキ、パキ……。

再び俺は際限のない結界剥落作業へと戻っていく。

こんな単純作業にも慣れというものがあり、ギリギリのタイミング、絶妙の力加減でノミをふるえるようになってきた。

腕を痛めると面倒なので、足下に薄片が貯まってきたところで休憩代わりに薄片を脇によけ、俺はえんえんとノミを振るい続ける。

それからどれくらいの時間が経っただろうか。

「……っと、ちょっとってば!」

メルヴィが俺の前に回り込んで言ってくる。

「わっ! 脅かすなよ」

「脅かすなよ、じゃないわよ! いったいいつまでやってるつもりなのよ!」

「……たしかに、そろそろメルヴィ半分くらいは掘り進んだな」

気がつけば、最初の時より10センチくらい水晶が薄くなっている。

しばらく様子を見ていると、水晶がぼんやりと光り、削った分が回復する。

……ほぼ全快したように見えるんだが……。

「ちゃんと定規で測ったこともあるから大丈夫よ。これで薄片1枚分だけ厚さが減ってるわ」

「なるほど、これでようやく1セットってわけか」

水晶の厚さが1メートルだとして、これでようやく1ミリ進んだことになる。

この作業を1000回繰り返せば、この水晶はなくなるってことだな。

そういや、時間はどのくらい経ったんだ?

「……本気で言ってるの? もう、半日近くやってるわよ!」

「え、マジか」

コン、パキ、のリズムが心地よくて、時間とか完全に忘れてた。

コン、パキ、で1.5秒くらい、待機時間が1.4秒とすると、ノミ1回だいたい3秒。

1万回分叩いたということは、前に計算したとおり8.3時間経過してることになる。

これを24時間やったとすると、28800回ノミで叩けることになる。

とはいえ、これはあくまでも理論値だ。

いくら俺でも、食事とかに時間を取られるし、手を休める必要もあるから、1日25000回くらいが限界だろうか。

妖精郷の時間は外の10倍だというから、外の1日をまるまるこの作業に当てれば、25万回――25ミリ=2.5センチ水晶を削れる計算になる。

これを1メートルに達するまでやるのだから、外の時間で40日を確保できれば、この水晶を削りきることができる。

かなり気の長い話ではあるが、やってできないことはないだろう。

たとえば、月1回妖精郷に来られれば、40ヶ月――3年と4ヶ月で封印を解ける計算だ。

「だが、そこがいちばん難しいところだな」

幼児の身で丸一日家を抜け出すのは難しい。

それに、40ヶ月もの間、妖精郷の入口からあまり遠くには行けないことになってしまう。

まして、これから両親とともに王都まで行くのだから、その間はとても無理だ。

また、王都での用事が終わって屋敷に帰ってしまった後でも難しい。

屋敷のあるコーベット村から、妖精郷最寄りのリベレット村まで半日もかかるから、夜中に抜け出して来るようなことはできない。

もちろん、両親に事情を話して許可をもらうという方法もあるにはあるが、そうなると転生の事実まで話さなくてはいけなくなりそうだ。

「……助けて、くれるの……?」

メルヴィが不安そうに言ってくる。

「え? もちろんそのつもりだけど」

今更何をという感じだが、前の人は発狂しかけたって言うし、メルヴィも不安なんだろう。

俺はなるべく優しく見えるよう、笑いながら言う。

「――誰かに助けてほしかったんだろ?」

「――っ!」

メルヴィは、助けてくれなくていいと、口では言っている。

でも、メルヴィの行動はそれを裏切っている。

助けてほしいんじゃなかったら、どうして村のそばの人目に付くところに暗号を残したのか。

どうして、村を訪れた俺に、泊まっていくよう勧めたのか。

どうして、 郷(さと) をよく見ていってと言ったのか。

そして――どうして、この洞窟へと至る階段の入口を開けっ放しにしておいたのか。

どこかでメルヴィは期待していたのだと思う。

俺がこの場所を発見し、「ご主人様」を助けようと言ってくれることを。

ぐしゅ、という音。

俺はつとめてそちらを見ないようにする。

「……でも、困ったことがある。俺は見ての通り子どもだから、親元から長く離れることはできない。他にもやることはあるから、剥落結界にかかりきりにはなれないし」

この「ご主人様」――【鑑定】によればアルフェシアさんを助けることができれば、悪神との戦いにおいて、これほど頼りになる人はいないだろう。

というか、もう後のことはすべて任せてしまっていいんじゃないかってレベルだ。

でも、この人を剥落結界に閉じ込められるような「悪い魔法使い」がいるんだったか。

万一出くわしたら全力で逃げるしかないな。

千年前の人物だし、もうとっくに死んでるとは思うのだが……。

「――それなら、わたしがあんたについていくわよ」

「え、メルヴィが?」

「わたしも、ご主人様ほどじゃないけど【次元魔法】が使えるわ。あんたがどこにいても、そこにこの 郷(さと) へのゲートを作ることができるから」

なるほど、それなら空いた時間を利用してここに来られる。

「か、勘違いしないでよね! わたしがあんたについていくのは、あくまでご主人様のためなんだからね!」

「はいはい」

照れ隠しの言葉に苦笑つつ、俺は地面に山と積まれた水晶の破片を拾い上げる。

スマホくらいの大きさで、厚さは1ミリ、端はとんでもなく鋭利で、気をつけないと指を切りそうだった。

「これ、使えるな」

俺はそれを人差し指と中指の間に挟んで壁に向かって投げてみる。

薄片はさっくりと壁に刺さった。

たぶん【手裏剣技】が利いたんだと思うが、こんなものでも手裏剣扱いになるんだな。

「あ、それ使うんだ。それなら、捨てるのも大変だから持って行きましょう」

メルヴィは、こともなげにそう言うと、山になった薄片をいずこへともなくしまってしまった。

「今、何したの?」

「これ? 【次元魔法】の一種で、次元収納っていう魔法よ」

無限収納(インベントリ) 来た!

「それ、俺にも使える?」

「どうかしら。【次元魔法】自体が凄く高度なスキルだから、何十年も修行すればあるいはってところかしら」

何十年か。

【不易不労】をうまく使えば圧縮できるとは思うが、すぐには無理だろうな。

「さ、そうと決まったら、行きましょう」

◇◆◇◆◇◆◇◆

――こうして、メルヴィが俺についてくることになった。

外では、メルヴィ自身が姿を見せようと思わなければ、基本的に人からは見えないらしい。

旅の仲間ともなることなので、本人に断って、メルヴィのステータスを見せてもらった。

ドン。

メルヴィ(テテルティア妖精郷出身・妖精長・《苦労人》・《がんばり屋さん》・《みんなのお姉さん》)

??(生み出されてから1119年経過)

妖精

レベル 44

HP 34/34

MP 997/997

状態 妖精の誓い(意図的に嘘をつくことができない。自衛のために必要な場合を除き、他者に危害を加えることができない。ただし、悪神の影響下にある者を除く。)

スキル

・伝説級

【念話】5

【精霊魔法】4

【次元魔法】2

【鑑定】4

【妖精の眼】4

【次元魔道具作成】2

・達人級

【統率】3

【魔道具作成】9(MAX)

【空間魔法】9(MAX)

【妖精の歌】4

【魔力制御】9(MAX)

・汎用

【指揮】9(MAX)

【道具作成】9(MAX)

【魔力操作】9(MAX)

【魔力感知】6

《始祖エルフの祝福》(始祖エルフの知識の一部を借りることができる。レベルアップ時のMP上昇に補正小、魔法関連スキルの習得・成長に補正小。)

うん。メルヴィ、マジがんばり屋さん。

しれっと渡してきたけど、あの次元ノミを作るのに相当苦労しただろうことが、ステータスからもわかるな。

せっかくだから次元ノミも【鑑定】してみるか。

《次元ノミ:伝説級魔道具。妖精テテルティアのメルヴィが百年に及ぶ研鑽の末に生み出した抗剥落結界作用のあるノミ。剥落結界の剥落幅を1マイクロメートル厚から1ミリメートル厚にまで増加させる。》

苦労なんてレベルじゃなかった!

血と汗と涙の結晶だよこれ!

内心で「1ミリしか削れないのかよ」とか思ってごめんよ!