作品タイトル不明
エルザの剣①
side エルザ
中庭に飛び降りると、そこで蠍は大量の魔物を召喚して待ち構えていた。
「随分とお仲間を呼んだ物だな」
「不死鳥のエルザが相手なのだから当然でしょ」
蠍はそう言って肩を竦めて見せた。
その周りには4体の竜種が守護する様に身を置いており、更にはホブゴブリンやグレートウルフなどの中に、1体、明かに格の違う魔物の姿が見て取れた。
それは獅子の頭と体、蝙蝠の羽、蠍の尾を持った魔物だ。
「マンティコアか」
マンティコアは冒険者ギルドが定めた魔物の分類によると、A +ランクに指定されている。
コレはAランクパーティが討伐出来るかどうかと言うレベルの魔物だ。
強靭な獅子の体を持ち、蝙蝠の羽で空を飛び、尾の毒は一滴で人の命を奪うと言われている。
それに加えて多くの魔物の集団だ。
「コレは……ピンチね。今までで1番かも知れないな」
「ふふ、貴女の冒険譚はここでおしまいよ」
「それはどうかな?私は今までで1番の危機を何度も乗り越えて来た」
私は自身の内に眠る力を呼び覚ます。
溢れ出した魔力を完全にコントロールする事で、私の手の内に大剣と成って形作られる。
「神器【不屈の大剣】」
「その神器の事も聞いているわ。自身の身の危険に比例して身体能力を上昇させる」
「おや、私も有名になった物だな」
蠍は複雑な形の短剣を取り出した。
魔法武器の様に見えるが、効果は不明。
私は、ビリビリとした緊張と身に降り注ぐ殺気に、ニヤリと口角を上げるのだった。