作品タイトル不明
王座の間
フリードを地下深くに沈めた後、負傷した冒険者や騎士、魔力が切れたバアル、ミレイ、ルノア、ミーシャ達に護衛として数人付けて砂の城に帰還する様に指示を出した。
ルノアやミーシャは渋ったが、バアルやミレイが足手纏いになると言って説得した。
更に残っている冒険者と騎士の半数を魔物からの防衛にこの場に残した。
ようやく城の中に入った私達は、王座の間を目指して走っていた。
イーグレットは自分の居場所を隠すつもりは無いらしく、城に入った瞬間からイーグレットの魔力を感じていた。
その場所は、城の構造から考えて王座の間だと考えられる。
時折現れるレッサーデーモンを一蹴し、また騎士や冒険者を足止めに残して走った。
そして見えてきたのは私の背丈の2倍は有る巨大な扉だ。
基本的には王座の間の扉は臣下や異国の客人に王家の威光を知らしめる為、巨大で豪華な造りになっている。
それと同時に王が多くの時間を過ごす場所で有る故、非常に頑丈で、物理、魔法に対しても耐性を持つ建材で造られている物だ。
コレを無理やり破るとなると、かなりの労力を必要とするのだが、今回はそんな必要はなさそうだ。
ユウは視線を鋭くして言う。
「誘われているみたいですね」
「そうね」
王座の間の大扉は、私達がこの場に到着する前から開かれていたのだ。
「行くか?」
「ええ」
残った者達を見回した後、私は王座の間に足を踏み入れた。
そして私達に王座に腰掛けた男が声を掛ける。
「やあ、よく来てくれたね。嬉しいよ、エリー」
そう言ってイーグレットは満面の笑みを浮かべた。