作品タイトル不明
異形のフリード③
突然吹き出した魔力に振り返ると、そこにはフリードだった灰の山があるだけだ。
しかし、その灰が魔力を放つと、次第に膨れ上がり人の形をなす。
「嘘だろ?」
システィアの呟きが、私達全員の心を代弁していた。
「えぇぇええりりりぃぃいざぁぁあべーーーーーとぉぉお」
「完全に化け物ね」
「な、なんですかアレは⁉︎」
「フリードとブラートよ。ミレイ達は退がっていて。バアル、ミレイ達を守って」
「あいよ」
私は再び再生したフリードに魔法を叩き込み、システィアもティーダの力を借りて灰になるまで焼き尽くした。
しかし、それでもフリードは復活してしまう。
「どうしたものッスかね?」
振り回される腕を跳び上がって回避しながら言うティーダ。
それに答えるのは泥の壁を作り雷撃を受け止めるシスティアだった。
「どするって言ったて、灰になるまで焼き尽くしてダメだったんだぞ?」
「システィア!」
流石はAランク冒険者。
私の声を聞いて咄嗟に自分を泥で包んだシスティア。
そこに泥の壁を突き抜けてフリードの異形の腕が打ち据える。
数メールを吹き飛ばされたシスティアだったが、ダメージは無さそうだ。
「なんだか動きが良くなってないッスか?」
「そうね。どちらかと言うとブラートの動きに近いわ」
先ほどからどんどんフリードのスピードが上がり、動きのキレが良くなっている。
まるで話に聞く若い頃のブラートのようだ。
「殺す…………許さない……俺を馬鹿にしやがって……全て、全て貴様の所為だ!エリザベート!!!」
逆恨みなのだが、その怒りでフリードは魔力を爆発させる。
同時にフリードの体がぶくぶくと膨れ上がり、フリードとブラートが悲鳴をあげる。
そして2人はほんの数秒で身の丈が3メートルを超え、全身に無数の口と目玉を持った化け物へと変貌を遂げた。
先程の姿など、まだましだった。
フリードだとわかる状態だったし、一応人の形をなしてはいたのだ。
だがもうこれは人ではない。
未だに私への恨言を全身の口を使って吐き出している事から意識は有るのだろうが、これを人と定義する事を本能が拒否している。
醜い化け物は全身から異臭のする粘液を撒き散らしながら私へと飛びかかって来た。
風の魔法で横殴りに腕を吹き飛ばすが、悲鳴を上げるだけで効いている様には思えなかった。
私のそばを掠めた粘液だが、どうやら溶解効果が有るらしい。
背後の木が倒壊したのだ。
「負けないッスけど…………これ、勝てるんッスかね?」