軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

大戦⑤

わたしの眼下では隊列を組んだ騎兵が逆三角形に布陣したハルドリア王国軍の端を突っ切る様に突撃し、その速度と息の合った連携で王国軍を突破し軍勢の背後へと躍り出ました。

「む、出てきたな」

「エリーさんの予想通りですね」

騎兵部隊が軍勢を突き抜けた瞬間、それを予想していたかの様に魔物の群れが騎兵へと迫っていました。

「ユウ、騎兵に魔物が到達するぞ!」

「では行きましょうか」

わたしは手にしていた手綱を握り直し、従魔のオリオンに指示を出します。

現在、オリオンの背に乗って騎兵部隊の援護に向かったのはわたしとバアルさん、エルザさん、システィアさん、そして広域魔法が使える冒険者が2人です。

正直、この人数は少し厳しいですが、なんとかオリオンには頑張って貰っています。

わたし達が騎兵部隊の救援に向かっていると、ハルドリア王国軍の陣地からワイバーンに跨った騎士が飛び立ち、猛スピードで向かって来ました。

「お?竜騎兵だぜ」

「構っている暇は有りませんよ」

「なら、私が引き受けよう」

システィアさんがそう言って立ち上がると、背後から追って来る竜騎兵を確認し、オリオンの背から飛び降りました。

猛スピードで飛行しているオリオンから飛び降りれば、当然後方から迫る竜騎兵との距離が瞬く間に縮まります。

「あちらはシスティアさんにお任せしましょう」

「そうだな、お嬢からの指令は騎兵を狙う魔物の殲滅だったか」

「ああ、ひと暴れさせて貰うとしよう」

「先ずは一当てしますか、オリオン」

「キューーー!!!!」

オリオンが大きく嘴を開くと、轟音と共に雷が閃光を伴って魔物を焼き尽くした。

騎兵に向かう魔物の集団の先頭付近の一団にオリオンのサンダーブレスを叩き込んだわたし達は、魔物の集団の上を飛び去りながら飛び降りて騎兵部隊と魔物の間に立ち塞がりました。

「さて、此処は通しませんよ」

◇◆☆◆◇

「やはり魔物が出てきたか」

「そうですね。でもユウ達なら問題なく撃退出来るでしょう。その間に騎兵部隊には王国軍の後方を掻き回して貰いましょう」

「そうだな……だが、竜騎兵も出て来ている様だが……」

「どうやらシスティアが相手をしているみたいですね。彼女なら問題ないでしょう」

私とルーカス様が見ている前で、地面から突き出て来た巨大な泥の腕が隊列を組んでいた竜騎兵の内の一体を掴みハルドリア王国軍の中に投げ飛ばしていた。

更にシスティア自身は空中に作り出した薄い泥の足場に立ち、竜騎兵相手に立ち回っていた。

ユウ達の方はサンダーバードの雷撃を打ち込み、魔物の集団の眼前に布陣していた。

「さて、どうするのかしら?」

私は此処からは見えないハルドリア王国軍の本陣が有るであろう方角を睨みつけるのだった。