軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ゾンビ特攻スキル! それはアイテムボックスですか?

一通りアイテムボックスの仕様であるMAPサーチからのアイテム回収を行ったところで、お寺の方から此方を見てきている冒険者の視線に気がつく。

アイスランス連打により、かなりの物音を立ててしまったのだから、心配になって見に来るのは当然と言えば当然。

むしろ見に来ない方がおかしいまである。

「佐藤さん、これからどうしますか?」

「そうですね。流石に、目立ち過ぎましたし、モンスターの出現数が多すぎるので一端、地上まで帰りますか」

感覚的には余力は十分にあるが、慣れない階層での行動は極力控えた方がいいと俺は結論付ける。

そもそもダンジョンを攻略するために菊池さんとダンジョンに潜ったわけではないし。

「わかりました」

無理はせず撤退することを決定し寺の方へと向かい敷地内に入ると「すいません。攻略組の方ですよね?」と、先ほどツアーコンダクターのようなことをしていた男の冒険者から声をかけられた。

「攻略組?」

そんな単語、初めて聞いた。なんと返していいのか思案したところで男が「いえ、ダンジョン最前線で戦っている冒険者の方のことです」と言い直してきた。

どうやら、俺達を熟練の冒険者だと勘違いしているようだ。

「あー、そこは秘密ってことで」

「そうですか。すごい戦闘で勉強になりました」

「それは良かった。では、失礼します」

菊池さんと共に俺は地下11階層へと上がる階段を上がっていく。

「あ、あの! 今日は地下13階層には行かないんですか?」

「行きませんよ」

俺は短く答えて、その場をあとにした。

「なんだか佐藤さんと知り合いになりたいか利用したいかみたいな様子でしたね」

そう菊池さんは呟いているが、俺としてはどちらでもいい。

ダンジョン内では悪意ある行動を取ることは出来ても直接的な被害を与えることは出来ないのだから。

それよりも気になったことは、地下11階層と地下12階層のモンスターの湧き具合を比較した場合、地下12階層のゾンビの数が異常だったことだ。

これは、冒険者協会に報告する必要があるだろう。

地下11階層に上がり、数歩歩くとゾンビの姿が見えた。

その数は一体。

「菊池さん」

「ええ。ゾンビがいるわね」

「どうしますか? 倒してみますか?」

「止めておくわ」

「そうですか」

一応、念のためにアイテムボックスを起動させて周囲のMAPを確認しておく。

モンスターに手を出す前に、逃げる先を確認しようと思ったのだが、回収できるアイテムがMAPの至るところに存在している事に気がつく。

「何だ?」

「どうかしたの? 佐藤さん」

「――いえ。ちょっと……」

本当に何気なく、大した思い付きもなく、アイテムボックスの機能の一つであるMAP判定から、アイテムを回収する。

途端に、目の前でフラフラしていたゾンビの体が崩れてダンジョンの中に回収されていく。

そしてアイテムボックス内には、魔鉱石が追加されていた。

……まさか、死体だから魔鉱石を直接回収できたのか?

「え? 佐藤さん! ゾンビが消滅しました」

「そ、そうですね……」

俺と菊池さんが見ている前でゾンビが消滅したこと。

それは、アイテムボックスの回収アイコンから範囲回収アイコンを使ったことでゾンビの体から魔鉱石を回収できたこと。

それによりゾンビが倒せた。

つまり死体からは魔鉱石を回収することができると。

「チートだな……」

一応、地下10階層に上がる階段に到着するまで、実験したが範囲アイテム回収によりゾンビを纏めて倒せることは確定した。

「佐藤さん、すごい冒険者だったんですね」

菊池さんが、俺を尊敬した眼差しで見てくるが、それは勘違いですよ? 菊池さんと、俺は心の中でツッコミを入れておいた。

尚、冒険者協会には魔鉱石は全部で840万円で売れた。