軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第二次ブートキャンプ ⑫

様子を見ている限り、ナンナちゃんは担当した班のお姉ちゃんたちに可愛がられていて進まない感じか。

メリーナさんは担当した班の女の子たちがお姉様にキャーキャー言っていて先に進まない感じ。

ナンナちゃんは大人しくて可愛いし、メリーナさんはバブみが強いからね。

まあ、この二つの班は、そのうち課題を終えるだろう。

問題は、たまたま男の子たちの班に当たったアイシアちゃんかな。

何というか、説明下手?

「・・・当たった班の運が悪かったというか、何というか」

「あー。そうかも」

私の視線を追ったルナリアが同意する。

アイシアちゃん自身が脳筋傾向が強いし、担当しているのも筋肉成分が多めの少年たちの班だから、肉体言語が控え目だと筋肉回路が低電圧で伝導率が低下するのかも。

課題が筋肉で思考する穴掘り対決なんかだったら、独走ぶっちぎりでゴールしたんじゃないかと思わせる感じかな。

筋肉量と理解力の関係性を考察していると高めの歓声が上がって私たちの目が吸い寄せられる。

お? また一つの班が課題を終えたかな。

ピーシーズ最年長、最年少の対決は、最年少の方が早かったか。

「第8班、設置完了しました!」

「次も頑張んなさい!」

「・・・はい。じゃあ、小休止を取って」

「はっ!」

報告に来た少女に指示を出すと、キリッと表情を引き締めている少女は、元気な返事と敬礼を残して同じ班のメンバーの元へと戻って行った。

第8班の報告から僅かに遅れて、また別の少女が報告にやって来る。

「第1班、設置完了しました!」

「よく頑張ったわ!」

「・・・はい。じゃあ、小休止を取って」

「はっ!」

報告に来た少女に指示を出すと、意外にシャキッとした返事と敬礼を残して同じ班のメンバーの元へと戻って行った。

これで残るはアイシアちゃんが監督している班だけになったな。

ちなみに、不運にもアイシアちゃんが担当することになった第4班には、アンリカさんとアリアナさんの弟であるアイオスくんと、ディーナさんの弟であるレイフくんと、マキアナさんの弟であるルーデンくんと、アイシアちゃんのお兄ちゃんであるノルトくんが配置されていた。

「筋肉成分が多め」な理由の大半は、たまたま固まって話していて同じ班になったこの4人が原因だったりするんだよなあ。

さて、どうするか。

「・・・うーむ」

「終わるまで待っている時間が無駄なので、私たちが手伝ってきましょう」

ミセラさんの申し出に、その通りだな、と考える。

何せ、出荷作業はこれからなのだ。

この調子でズルズルと時間を浪費していては、いつまで経っても日常業務が終わらない。

「・・・仕方ないか。お願いして良い?」

「承知しました」

ニコリと笑ったミセラさんたち3人がサクサクと落ち葉を踏んで手伝いに行った。

教えるのが上手いミセラさんたちなら対話の相手が筋肉の塊でも大丈夫だろう。

「集中しなさい!」

「力加減を考えなさい!」

「覚える気があるのですか!」

怒鳴り声と一緒に、ドカッ! バキッ! っと、鈍い音が聞こえてくるけど、きっと大丈夫なのだろう。

大丈夫なはずだ。

大丈夫だよね?

ミセラさんたちが手荒なのも理由が有って、例の4人は揃いも揃って頭一つ飛び抜けた脳筋らしくて、私がピーシス領に行ったときには、それぞれがセルフトレーニング中で騒ぎに気付いても居なかったそうなんだよ。

アイオスくんはお披露目で紹介されたことがあるから顔を知ってたけど、ジアンさんが連れてくるまで他の3人は見覚えがなかったし。

ジアンさんの評価によると、将来性に太鼓判を押す程度には、頭蓋骨に筋肉が詰まっているらしいよ。

犬の 躾(しつけ) も、筋肉ムキムキの大型犬は大変だって飼い主さんから聞いたことが有るしなあ。

昔、営業活動の訪問先で大型犬に伸し掛かられてスーツを汚されたときに、飼い主さんが大型犬をバシッと叩いて叱ってたんだけど、叩かれた大型犬は「ん?」って感じで、まるで堪えている様子が無かったんだよ。

肉のカーテンかな?

「・・・待ってる時間が勿体ない、か」

ふむ? 小休止している各班の見張―――、ゲフンゲフン。

各班を監督しているピーシーズに目を向ける。