軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

98話 ハードル高!

林の目の前、足元は石がゴロゴロとしたそんなに広くない空間に出た。

後ろは背の高い草の生い茂った草原だ。ここは竜の慟哭の子らと狩りをした場所だ。

ちなみにやまと商事の事務フロアが落ちた(?)死霊の森は、この森林ランドよりもっともっと南西に進んだ所だ。

テレポートした全員がすぐにマップを確認した。

「ゲゲっ」

「何だこれ!」

「!」

「シッ、声抑えて。とりあえずあの大岩の後ろへ移動しよう」

真っ赤に染まったマップを目にして部長も菊田さんも思わず声を上げてしまったようだ。

新田さんは声も出ないくらいボーゼンとして固まっていた。そんな3人を大岩の後ろへと静かに誘導した。

「昨日よりさらに増えてるな」

「これ、見つかったら俺ら死ぬんじゃ…」

「その樹々が立ち並ぶ先が林、その奥が森らしい。俺は森までは行ってない。ギルドの話だと、林の中におよそ五百、森には二千くらいいるそうだ」

マップには林に映る赤い点もそれなりの数だったが、その先に映った森の端っこは、もっと赤く塗りつぶされていた。

「森、すごいな、モンスターの数」

「単に森のこっち側に寄ってきてるだけかな」

「全部ゴブリンですかね?」

「どうだろう」

「目の前の森林もすごいけど、俺らの後ろの草原の背の高い草はらにもバラバラと結構いますね」

「そっちは昨日はほとんどいなかったんだけどな」

「ゴブリンでも先行役みたいな奴らが四方に散り始めた感じか?」

「マップを最大限まで拡げたけど、黄色い点は確認できませんね」

「そうだな、68人だと黄色い点もそれなりの塊で映ると思ったが」

目を凝らしてマップを見たが、自分らの青い点4つの他は赤のみだった。

「みんなまだここまでは流れて来ていないんじゃないかな?」

「開拓村から死霊の森を目指すならこの森林を突っ切るのが最短ルートなんだが」

「彼女らが最短ルートを知っているとは思えないし」

「ですね、マップなんてないだろうし」

「もっと開拓村方面に移動するか」

開拓村はもちろんのこと、その途中の道などブックマークはしていない。行ったこともなければ行くつもりもなかったからだ。

ブックマークがない以上、足での移動しかない。

いつもの俺なら即サモンか犬を出してるところだが、今回は出せない。

この状態で出したらすぐに乱闘からの大混乱になるのが目に見えてる。

今回は敵を倒すのが目的ではない。

敵の目からいかに隠れつつ要救助者を助け出せるかだ。

「これは…ゾンビハザードよりメタリックギアってとこですね。段ボールが必要だな」

ナオリンがわけのわからない事を呟いた。えと、一応段ボール箱ならあるけど?何に使うんだ?

段ボールいる?と聞いたら、「アハハいえ、ゲームの話です」と言われた。わからぬ。

「ここからは歩きで移動になる。マップは各自常時チェックしてくれ」

「この世界に来て初めての魔物との戦いがこの数ってちょっとありえない。やっぱダンボール貰おうかな……」

ナオリンが震えながら小声で言った。

「普通ゲームの序盤はスライムとかゴブリンが1匹ですよね」

キックも震えた声で言う。

「巻き添えにして申し訳ない」

部長が言うが、そこに被せて俺は言った。

「いや、これは魔物を倒すゲームではない。避けゲーだ! 魔物を避けていかに救出出来るか。そんなゲームと思えば怖さは減る。いざとなったら“帰還スク”で街に帰還できる」

「なるほど!避けゲーね!」

「よし、とりあえず開拓村方面へ移動するか。赤い点を避けながら」

本当は自分が1番ビビってる気がする。言わないが。

いざとなったらすぐ飛べるように四人で集まって移動を始めた。