軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

97話 戦士の準備

部長、新田さん、菊田さんがそれぞれの装備を装着した。回復薬も少ないながら持っているらしい。

部長は“剣士”という事で、このメンバーの中では一番ファンタジーっぽい格好だった。

グレーのチュニックとズボンに長剣を腰にぶら下げていた。腰から剣を抜いて構えてみたり振ってみたりしていた。

拳士の新田さんはどこか格闘技のゲームのようなちょっとゴツ目のチャイナっぽい服だった。

肘、膝、手の甲に痛そうで固そうな尖った何かがはまっていた。

菊田さんはどこかで見た様な?洋風忍者のような装備だった。

菊田さんにゲーム名を聞いたら「ライン・エイジ・ファンタジー」と答えた。なんと!俺と同じゲーム!

が、今はゆっくり話してる場合じゃない。

俺は自分の装備をどうするか迷った。

ウィザード、エルフ、ドラゴンナイトの3種類を持っていたからだ。

ウィザードは後衛だが防御力はかなり薄い。エルフも後衛だがウィズよりはマシ、程度だ。

なのでドラゴンナイトの装備にした。何かゴツくて派手だが防御力はそれなりのはずだ。

ただし武器はドラゴンナイトのチェーンソードではない。 SLS(シルバーロングソード) にした。

これはどのキャラでも使用可能でゲームでも使い慣れていた。

しかも、プラス9まで強化した上にさらにオーバーエンチャントに成功した優れものに祝福までかかってる。

+9SLS(祝福)はゲームでも優れた武器だった。

もっともこの世界ではそういった数字は見えない。絶対無くしたくないから名前を書いておいた。油性ペンで。

「鹿野さん、ウィズじゃなかったですか? それ、DKNの装備ですよね?」

菊田さんが目ざとく気がついた。

「あぁ俺、サードがDKN、ファーストがWIZ、セカンドがELF」

「やりこんでますね」

「いや、レベル上げ辛くてスライドしていったw 基本まったりだったから」

部長と新田さんも俺を見て目を見張っていた。

「派手だねぇ」

「鹿野さん、実はオタク?」

「え、いや、まぁ、オタクっちゃあオタクだけど、極めたオタクじゃなくライトなオタク的な?」

やまと商事における初オタクカミングアウトであった。

出発前に打ち合わせした事を再度に口出して確認した。

「全員、マップを展開」

「「「はい」」」

「飛んだ先で魔物に囲まれたら即帰還する。目視出来る範囲に魔物がいなかったらマップの黄色い点を探して進み救出に向かう。脱出者に接触、戻るか聞いて“YES”ならすぐ拾って戻る。“NO”もしくは“考え込んでいる”なら時間が勿体ないので別の黄色へ移動。生きている人優先で亡くなってる人を発見しても回収は後回し。今回は生きてる人優先の救助。ここまで、OK?」

「「「OK」」」

「あ、そうだ! これ渡しておく」

俺はそう言ってアイテムボックスから“帰還スクロール”を渡した。

ゲームでは日常使いのスクロール。狩場から街へ戻る時に誰もが使っていたスクロールだ。

この“帰還スク”の特徴は魔力の有無に関わらず誰でも使える点、帰還先は“一番近い街”。

危機に陥った時に瞬時に使える便利なスクだ。

スクロールってどう使うんだろうと疑問に思い、この街に来てから一度試してみた。

スクロールを開いて「帰還」と言ったら無事街の門前に帰還できた。(ちなみに門は東西南北の四カ所あるが、一番近い門だった)

この世界に来た時に持っていた(ボックスに入ってた)数が10枚だったので、いざという時のためになるべく使わずに大事にしていた。

お試しで1枚使ったので残り9枚。

それを3人に1枚ずつ配った。(残念ながらキックは持っていなかった)

あっちゃんは留守番なので、部長とキックとナオリンへ。使い方を説明した。

「俺が近くにいなくて危なくなったら即これ使ってくれ。今回の救出ではまず絶対俺たちが死なない事、それから戻ってやり直したい人を助ける、この2点な。んじゃ飛ぶよ、近寄って」

部長らが俺の近くに寄った。

「エリアテレポート!」

次の瞬間に景色が一変した。

目の前に木々が広がる森林ランド(勝手に命名)の手前に。