軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

エピローグ「新しい朝じゃね?」

「ん、んん……ちょっと、夏樹くん。朝からラトビア語で何を叫んでるの? ていうか、最近、朝叫んでばっかりじゃない?」

ベッドの上で上半身を起こして呆然としている夏樹に、一登が目を擦りながら何があったのかと視線を向けた。

義政はまだ眠っているようで、無理やり起こさなくてよかったと思う。

「か、一登……俺、レベルが上がったみたい」

「なんの!?」

「い、いや、よくわかんないけど、夢の中でレベルが上がったって言われて」

「なんだ、夢か。びっくりした。夏樹くんだけ、マジなファンタジーかと思ったよ」

「俺も一登もマジのファンタジーの住人だよ? そこに間違いはないからね!?」

「そ、それは否定しないけど。ていうか、夢をいちいち気にしていちゃしょうがないでしょう」

「だけどさ! 俺の夢って毎回意味深なんだよ! ゴッド出てきたことあるし! 河童大神様の御使いが現れたりとか、河童の夢見たりとか!」

「ゴッドはさておき、他はただの夢じゃない?」

「そんな馬鹿な!?」

夏樹も一登も寝起きとは思えないテンションの高さだ。

もともと夏樹の奇行に慣れている一登は今更驚きはしない。

異世界で無双して帰還した勇者ならば、夢のお告げがあるかもしれない。

「ところで、そんなに驚くってことはレベルアップの夢のお告げは初めてってこと?」

「初体験だよ! ――って、もしかして、俺って今までレベル1だったの!?」

「……異世界で経験値稼ぎまくって、神や魔族とガチバトルしているのにレベル1ってさすがにありえないでしょう! レベル2になったらどれだけ暴れん坊になっちゃうの!?」

「正直、自分でもわからない。きっとなまらすんげーことになると思う」

「あ、終わった。世界終わった」

「ちょっと、一登くん? さっきから、俺の扱いひどくない? 世界滅ぼしたりしないよ!? 異世界なら喜んで滅ぼすけど!」

「――心配はいらないよ、可愛い少年たち」

夏樹の部屋の中で、聞き覚えのない声が聞こえた。

「え?」

「は?」

声のする方向に視線を動かすと、夏樹の部屋の隅に「それ」はいた。

「――ひ」

「ひぃ」

夏樹が悲鳴を上げ、ベッドの上に飛んできた一登と抱きしめ合う。

「アメリカ、ウエストバージニア州ポイントブレザントからこんにちは」

「はわわわわわわ」

「あばばばばばば」

「それ」は二メートルほどの巨体だった。

大きな翼を一対持ち、全身が漆黒の毛――おそらく羽毛で覆われている。

漆黒の羽毛に覆われた太い腕を胸の前で組んだ「それ」の顔には、真っ赤な瞳が爛々と光っている。

鳥を無理やり人間にしたらきっとこんな感じなのだろう。

都市伝説の類が大好きな夏樹と一登には、「それ」の正体がすぐにわかった。

ふたりは声を合わせて叫んだ。

「モスマンさんだあぁあああああああああああああああああああああああ!」