作品タイトル不明
間話「まもんまもんの長い話じゃね?」
「やれやれ、ようやく愛ちゃんも帰ったな。愛の女神とか遊戯の神とか、隠居した身にはお腹いっぱいだよ」
愛ちゃんが青森からお土産の野菜とお米を抱えて帰っていくのを見送ったさまたんは、疲れた顔をして家の中に戻った。
「愛ちゃんは帰りまもんまもん?」
「ああ、遊戯の神も一緒に帰ったけど。ったく、新たな神々に与していると誤解されるのも面倒臭いんだよなぁ。ていうか、前から疑問だったんだけどさ。マモンはどうして愛ちゃんと行動していたんだ?」
洗い流しを終えたマモンは割烹着を脱ぐと、冷蔵庫からビールを取り出した。
さまたんの分を丸テーブルに置いて、自らも腰を下ろすと、プルタブを開けてビールを飲む。
「――話せば長いまもんまもんになりますが」
「まあいいけど。腰を据えて話すか?」
「まもん。私がまださまたん様を魔王にしようと根回しをしていた時のことでした。その日、部下の娘さんが誕生日だったのでケーキ屋さんで誕生日ケーキをまもんまもんと予約していたのですが、誤ってドル紙幣しか持っていなかったことに気づき、まもんまもんと謝罪して出直そうとしたところ、立て替えてくれたのがまもんまもんな芋ジャーを装備した愛ちゃんでした」
「……それで?」
「それだけでまもんまもん?」
「話せば長くなるんじゃねえのかよ! まだビール残ってるぞ! なんだその出会い、それで仲間になったのか!? 雑なことしてるんじゃねぇよ!」
「ご、後日、お金をまもんまもんと返して、せっかくなので居酒屋で一杯飲んだところ、意気投合しまもんまもん」
「だから雑なんだよ!」
さまたんは頭痛を覚えた。
愛の女神との繋がりが、利用したとかされたではなく、力が抜けるものだったとは思わなかった。
「……まあ、あれだけ強い神と敵対していないだけ利口よ」
「まもんまもん。このマモンは七つの大罪の魔族でありそれなりに強い自負をしている魔族ではありますが、必要のない戦いはしない魔族でもありまもんまもん。愛ちゃんのような規格外の強さを持つ神と戦うことはナンセンスでまもんまもん」
「だろうなぁ。本人が戦うつもりがまるでないのが救いだな。おそらくだが、太一郎や私レベルだぞ。いや、それ以上かもしれない」
現役を退きながら弱体化していないさまたんであるが、愛の女神愛ちゃんとは戦いたくない。
負ける負けないの話ではなく、彼女と戦えばどれだけの被害が出るのかわからないのだ。
無論、戦う理由がまったくないというのもあるが。
「まもんまもん。個人的にはぜひまもんチャンネルのメンバーに」
「スカウトすんなよ!?」
「ま、まもん、そう言いますが、愛ちゃんはちょっと出ただけで人気が」
「まじか!? って、本当だ! なんかキモいコメントがいっぱいあるんだけどぉおおおおおおおおおおおお! 日本って本当にすげえ国だなぁ!」
――青森はいつも通りだった。