軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

間話「遊戯の神がまた来たんじゃね?」

「先日ぶりね、愛の女神。いえ、愛ちゃんって言うべきかしら」

「馴れ馴れしく愛ちゃんなんて言われるのは嫌だけど、まあいいわ。それで、何の用かしら――遊戯の神」

芋ジャーを装備した愛ちゃんのもとに訪れたのは、先日会ったばかりの遊戯の神だった。

黒髪をツインテールにしたロリータファッションに身を包んだ幼い少女の外見をしているが、中身は残忍な神である。

新たな神々の中でも、上位である「十天」ではないが、それに次ぐ力を持っている神でもあった。

「ちょっと、遊戯の神なんてダサい名前で呼ばないでくれる?」

「……自分のこと否定するんかい!」

「違うわ。あなたが愛ちゃんを名乗るうように、私も自分の名前を考えたの」

「まさかとは思うけど、それを言うためだけにここまできたわけじゃないわよね?」

「…………暇神かよ! ていうか、会議するんじゃなかったの!?」

「まだ集まらないのよ! どいつもこいつも好き勝手するし! 違法アップロードの神は佐渡祐介に倒されたわ!」

「なにその神!? そんな神いたの!?」

「いたのよ! 会ったことないけど、そこそこ強かったらしいわよ!」

「なにそれ、どんな戦いをするのか超見たかった!」

「もう死んだ奴はいいのよ! それよりも私の名前を、耳の穴をかっぽじってお聞き!」

「最近、そういうフレーズ聞かないわねぇ」

「うっさい! 私が三時間かけて考えた名前! その名も――ジョセフィーヌ!」

「…………」

胸を張って名乗った遊戯の神は、ふさぁ、とツインテールをかきあげた。

どうだと言わんばかりにドヤがをしている。

「どう?」

「……えっと、なんでジョセフィーヌ?」

「なんか私ってジョセフィーヌって感じがしない?」

「わかんないよ! あと三時間って長いのか短いのか微妙だな!」

「こう、降ってきたのよ。神に与えられし名ね」

「神を敵にしている新たな神々的にどうなの!?」

「私の言う神は太陽神様よ!」

「太陽神んん? あんなよくわかんない神が急にお前の名前はジョセフィーヌだ、なんて言い出したら失禁するわ!」

「――っ、あなたね! 太陽神様によくもそんな口を! 確かに彼の方は、なんか根暗っぽいし、言葉もめったに話さなかったし、何考えているのかわからない不思議ちゃんだっただけど」

「そこまで言ってねーよ!」

「……ゆ、誘導尋問したわね!」

「してねーし! ていうか、意外と好かれてないわね、太陽の神!」

太陽の神に関して、愛ちゃんは「よくわからない」というのが感想だった。

愛ちゃんは比較的古い神だが、こうして意識をはっきりさせたのは最近のことだ。

それまではぼんやり生きていた。

そのため、太陽神という新たな神々の頂点の存在を知ってはいるが、姿形は知らず、思想もなにもわからない。

だと言うのに、絶望の神など一部の神からは熱狂的な支持を受け、門の神でさえ平伏していたと聞いている。

そんな彼らでさえ、太陽神に関してわからないことだらけなのだ。

愛ちゃんにとって太陽神が「よくわからない」と言うのも無理がないことだった。

「そ、そそそ、そういえば、十天が動き出すそうよ」

「話変えたな」

「もういいじゃない!」

「まあ、いいけど。んで、会議もせずに十天の誰が動くって言うのよ?」

「――美脚の神よ」

「――っ」

「他の十天に、その力が十天に相応しいか示してみろ、みたいなこと言われて泣きながら向島市に向かったわ」

「新人いじめかよ! ていうか、美脚の神も力を見せろと言われて一番ヤバいところにいっちゃったわね!」

「そうなのよ! だから、向島市に縁のある愛ちゃんに協力を求めようと思ったのだけどーー」

「あのさぁ、そういう話は帰ってからやってくれないかな!?」

「――なんで青森で農業手伝ってんのよ!?」

「え? 一宿一飯の恩を返すために」

「いやいやいやいや、愛ちゃんさ! もう二日いるじゃん!」

「働いているからいいじゃない! さまたんったら、いけず!」

「まもんまもんだけでも面倒なのに、お前が絡むとより面倒になるんだよ! 知ってるぞ! ちゃっかり動画デビューしてだろ!」

愛ちゃんと口論するのは、さまたんだった。

遊戯の神が叫んだように、愛ちゃんはいまだ青森にいた。