軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

68「今日イベント多くね?」

小梅と銀子が見ていたドラマの再放送が終わり、義政が火加減を調節していた餃子が焼き上がった。

「とりあえず、飯にしようや。今日は晴子さんは職場の人と飲み会だから、ちょうどいいって言い方も変だが、祐介とそっちのソーニャだっけか、お前たちも食べてけ。多めに焼くつもりだったから問題ねえぞ」

「あ、ありがとうございます」

「ご馳走になります」

丸テーブルを囲み、急に始まる餃子パーティー。

「とりあえずビールっすね!」

銀子が缶ビールを冷蔵庫から取り出し、テーブルに並べる。

小梅が箸と缶ビールを持って食べて飲む準備を万全にした。

「さあ、焼き上がりましたよ!」

湯気で眼鏡を曇らせた義政が、満足した様子で大皿を二枚テーブルに並べた。

「熱々のうちに食べな」

「それじゃあ、いーたーだーきーまーす!」

「いーたーだーきーまーす!」

学校の給食のノリで手を合わせた夏樹たちはそれぞれ餃子に箸を伸ばす。

夏樹はメーカーが出している餃子のタレにラー油を入れる派であり、一登は自分の好みで醤油とお酢を入れてから一味を入れる派だ。

小梅と銀子はこだわりがなく、義政は辛いのが苦手だそうだ。

祐介は最初はそのまま食べ、次からお酢に山椒を入れて食べるのを好んでいた。

ソーニャはとりあえずいろいろ試してみることとなった。

「ジャックとナンシーもついてねえな。餃子好きだったのに、今日は観光で帰ってくるのは明日だったな」

「あれ? ご飯になると部屋から出てくるリヴァ子さんは?」

「配信だかなんだかをずっとやってて寝てやがる。適当な冷凍食品買ってあるからあとでレンチンして食べればいいだろ」

サタンは餃子をつまみビールを飲むと、次の餃子を焼くために台所に立つ。

「クソ親父め、最近主夫力上がっとるじゃろう」

「魔王が焼いた餃子って、なんかパワーアップしそうで怖いっすねぇ」

小梅と銀子は熱々の餃子を食べながら、冷えたビールをおいしそうに飲んでいる。

ソーニャも銀子に倣って餃子とビールを堪能していた。

育ち盛りの夏樹と一登は白米と交互に餃子をモリモリ食べている。

義政は餃子をふーふーと冷ましながら、ポテトサラダも食べている。

祐介は、餃子を味わい、久しぶりに食べたと感動していた。

「サタンさん、美味しいよ!」

「ありがとうよ!」

「義政先生もいい焼き加減ですね、ぱりっぱりじゃないですか!」

「アルフォンスさんに習ったんです。上手くできてよかったです」

サタンと義政に感謝を告げると、夏樹は祐介に話を振った。

「それで、妹さんのことどうするの?」

「うーん、いろいろ聞かなきゃいけないことはあるよ。まず、いつどこでなぜ魔法少女になったのか、だね」

「それはマジで聞いておいた方がいいよ。つーか、銀子さんさ、魔法少女って霊能力関係なの?」

「魔法少女の存在がそもそも疑問なんっすけど、コスプレじゃなくて本当に変身したっすか?」

「したよ! ステッキとか持ってないけど可愛い衣装に身を包んでぶっといビーム放ってきたんだよ!」

霊能関係に詳しい銀子でも魔法少女は知らないらしい。

祐介に確認するも、やはり魔法少女は存在すると言う。

「……ぶっちゃけ、もうファンタジーなのかなんなのかわからなくなってきた」

「夏樹らしくてええじゃろう。そもそも夏樹も、ギャラクシー河童勇者名乗っとるんじゃから、宇宙だか妖怪だかファンタジーだかよくわからんじゃろうて」

「俺はファンタジーだよ!」

「ファンタジーもそこまで万能じゃないような気がするんじゃがのう」

結局のところ、ソーニャが祐介の妹のひなたを予想外に受け入れてしまったのだが、由良家では話が進まない。

ならば家に帰ればいいのだが、女同士のバトルが怖かった祐介がちょっと駄々をこねたので夕食を楽しむことにしたのだが、本当に帰るのか疑問だ。

(一応、家に連絡はしていたけど、妹さんが帰ってこないのは駆け落ちしたせいだとか言って乗り込んでこないよね?)

夏樹は餃子を口に入れながら、不安に思う。

「――おう、夏樹」

「ほえ?」

台所からサタンが携帯片手に名を呼んだ。

「ちょっとまずいことが起きたから、飯食ったら出かけるぞ」

「待って、今日、イベント多すぎね? 本当に多くね?」