作品タイトル不明
53「まさかの孫じゃね?」②
「だから、そういうのはいいですから。聞いていた以上に気持ち悪い子ですね」
「あ、あの、気持ち悪いと言うのやめてもらっていいですか。心に効きます」
「そうですか」
「…………」
(この人なんか苦手ぇええええええええええええええええええ!)
「君が河童が好きでも美脚が好きでも河童大神とかいう意味わからないものを信仰しようと気にしません」
「河童大神様はわけわかんないものじゃねえよ!」
「ですが、君が気持ち悪いのは事実なので私ははっきりと言いましょう。かわいそうに、きっと今まで指摘してくれる人がいなかったんですね」
「あ、あんたな……俺が千手さんに何度突っ込まれたり引っ叩かれたりしたと思ってんだ!」
「……つまり、注意されても言動を直さない、と」
「…………黙秘します」
(くそ、誘導尋問しやがって。――ま、まさか、FBIの捜査官か!?)
「その顔は、心の中で私をFBIの捜査官かとか思っていそうですね。一応、言っておきますが、違います」
「――っ」
「そんな信じられないみたいな顔をされてもこっちが困ってしまうのですが、いいでしょう。私はすべきことをしたい。普通の人間は時間が短いのですから、無駄にするのはやめましょう」
少女は、夏樹に告げた。
「改めて、私はいつるといいます。翔おじいちゃんの孫であり、一番弟子です。あ、大きく口を開かないでくださいね、師匠とか叫ばなくていいですから」
「………………」
「数年前、私はおじいちゃんから君の話を聞いたことがありました。人と関わることをやめていたおじいちゃんが関わった君に、少し興味を覚えましたが、それだけでした。ですが、再びおじいちゃんから連絡があり、再び君のことを聞きました」
いつるは少し複雑な顔をした。
嫉妬、と思える雰囲気がある。
「あのおじいちゃんが君のことを楽しそうに話すのです。孫としては複雑です」
「はい! 先生!」
「君はなにかしらふざけないと死ぬのですか? まあ。いいですが。なんでしょうか?」
ずっと気になっていた。
――いつるはどうやって師匠と連絡を取っていたのか?
「あの……いつるさんでいいっすか?」
「……はぁ、どうぞ」
「いつるさんは、師匠がいた異世界にいましたか?」
「いるわけないじゃないですか」
「じゃあ、どうやって師匠と連絡を取っていたんですか? まさか、師匠スマホ持ってたの!?」
夏樹の脳裏に、「ほほほ、漫画の最新話が更新されておるのう」とスマホを操作する師匠の姿が浮かぶ。
いつるは大きく嘆息した。
「そんなわけがあるはずないでしょう」
「じゃあ、どうやって?」
「それは」
ごくり、と夏樹が唾を飲む。
いつるは少し間を置いてから、言った。
「――スーパーテレパシーです!」
「――スーパーテレパシー!?」