軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

94「グランパじゃね?」

「祐介くん、ソーニャさん、おめでとう!」

「ダークサイドから卒業だな、佐渡!」

「おめでと、祐介くん」

「ふたりとも、幸せに!」

夏樹、千手、東雲、征四郎がソーニャを抱きしめた祐介を囲み、どこから取り出したのか花びらを巻く。

花びらを頭に乗せた祐介とソーニャが幸せそうに微笑んだ。

「ありがとう、みんな!」

「ありがとう!」

パチパチ、と拍手が沸いた。

夏樹たちだけではない。

グランドルをはじめとした魔族。いつの間にか集まっていた魔族たちも、祐介とソーニャを祝福する。

アマイモンも拍手をしているし、ガープなんてなぜか感動して泣いている。

「まあ、なんだ。母には母の道がある。佐渡祐介……どうか母を幸せにしてやってくれ」

「お任せください!」

ギーゼラも母がそれでいいのなら、と祐介のことを受け入れた。

ただ、ひとりだけ複雑そうな、どこか考えごとをしている様子なのがラーラ・シラーだ。

一応、拍手をして祝福をしているようだが、どこか表情が曇っているような気がする。

「ラーラ?」

ギーゼラが娘に気付き声をかけた。

「どうした? ……もしや、素直に祝福できないのか?」

「ううん、違うよ! そうじゃなくて……佐渡祐介くんがソーニャおばあちゃんと結婚するってことは……私のおじいちゃんってことでいいのかなって?」

「……あー」

ラーラの言葉に、ギーゼラが何と返事をしていいものかと悩んだ。

夏樹たちも固まる。

確かに、ソーニャと結婚するのなら、祐介はラーラにとって義理の祖父になるのかもしれない。

その辺りを深く気にしても仕方がないとは思うが、彼女の言いたいこともわからなくはない。

「あ、なんかごめんね。複雑に思ったとか、嫌だってわけじゃなくて――」

ラーラは祐介の顔を見て、ちょっとだけ遠慮がちに尋ねた。

「――おじいちゃんって呼んでいい?」

「――ウェルカム!」

にかっ、と祐介は笑みを浮かべて親指を立てた。

ラーラは瞳を揺らし、微笑んだ。

「おじーちゃん!」

「はっはっはっ、こんな可愛い孫ができるなんて僕も偉くなったものだね! いいや、すべてはソーニャたんが幸せを運んでくれたんだね! 僕のマイエンジェル!」

「もうっ、照れちゃう!」

飛んできたラーラを受け止め、嬉しそうにする裕介に夏樹は大きな衝撃を受けた。

「す、すげえよ、すげえよ、祐介くん! 俺なんて、自称とはいえ義理の妹なんて心からいらねーって思っているのに、義理の孫を余裕で受け入れる……懐の深さが田沢湖だよ!」

――田沢湖。秋田県にある、日本で一番深い湖だ。

そんな田沢湖に例えるほど、祐介の度量は深かった。

「ギーゼラさん、いえ、ギーゼラたん!」

「う、うん?」

「ラーラたんが孫娘なら、君は僕の娘だ! 今夜は家族仲良く山の字になって寝ようじゃないか! ははははは!」

「絶好調だな、佐渡ぃ! 川だと四人じゃひとりあまるからって、山を持ってくるところが地味にイラっとするぜぇ!」

千手がわざわざ突っ込むと、なぜ山の字なんだと首傾げた人たちが「あー」と納得した。

「良いお話ですねぇ、アマイモン様ぁ!」

「佐渡祐介……大地の勇者として興味があったが、一人の男として見習うところがあると思うな」

ガープとアマイモンも祐介の懐の深さに感銘を受けていた。

しかし、女性陣は、

「いやぁ、単純に魔族大好きっ子の祐介じゃからみんなウェルカムなだけじゃろう」

「そうっすねぇ。あわよくばラーラさんとギーゼラさんもって思っているかもしれないっす」

「……地味に、ギーゼラさんとラーラさんにも「たん」付けしているのがなんか嫌です」

「悪い人じゃないんだろうけど、なんか怖い」

男性陣と比べて辛口だった。