軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

55「門の神の最期じゃね?」

――地球のとあるところ。

簡素なベッドが置かれた真っ白な部屋で、『門の神の本体』は首を抑えて目を覚ました。

「……あの、クソガキ……よくも俺を、あんな雑魚を見るような目でみやがって。絶望の神の方が上とでも言いたいのか!」

夏樹と戦った門の神は、半身だ。

力は問題なく使えるし、強さもある。

しかし、本来の姿よりも弱い。

「……半身でありながら覚醒を果たしかけたことには感謝しているが……力の半分を失った以上、しばらく……それこそ十数年今までと同じようには行動できない」

まさか人間の身であれほどの力を持つ者が存在しているとは思いもしなかった。

時代が時代ならば、神として崇められていたのではないかと思えてしまう。

――そんな由良夏樹のことが、門の神は怖かった。

力を取り戻す前に、再び会うことになれば今度こそ殺されてしまう。

それだけは避けたい。

まだ、新たな神々として成すべきことをしていない。

「どうせ絶望の神は由良夏樹がいる限り、魂胆は失敗する。いや、そもそも奴は本気で神話を作ろうなんて考えていない。話に乗った俺が馬鹿だっ……。違う。そうじゃない! そうじゃないだろう!」

門の神は頭を抱えて叫んだ。

「――ふざ、けるな! 俺は、神だぞ! 管理者どもの領域に立てる数少ない、神だぞ! それを、ただの人間に! 力が強いだけの、狂った人間に! おのれぇええええええええええええええええええええええええ!」

ただの人間に怯えてしまった自分が許せなかった。

強いと自負していたプライドがへし折れた音が聞こえた。

数年力を取り戻せない間、逃げることだけを考えていた。

――門の神の心は由良夏樹に徹底的に敗北していたのだ。

「認められるか! いいぜ、由良夏樹! 決着をつけようじゃないか! 俺はまたお前に会いに行こう。今度は全力で、お前を――あ?」

視界がブレた。

わずかな違和感を首に覚え、手を当てようとした。

だが、できなかった。

その理由は簡単だ。

首が、落ちたのだ。

「――なん、で」

鈍い音を立てて、床に落ち転がった。

「――――――は?」

意味がわからなかった。

本当にわからなかった。

自分に何が起きたのか、まるで理解できないまま、門の神は絶命した。

――門の神の死によって、複数の新たな神々に夏樹は大きく注目されることとなった。