軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

52「勇者の帰還じゃね」①

門の神は、忌々しく顔を歪めていた。

「面倒臭えことになっちまった以上、由良夏樹の相手をするのはやめてさっさとこの世界からおさらばしたかったんだがな……よりにもよって、こんなガキに足止めされるとは思いもしなかったぜ!」

「――夏樹さんが戻ってくるまで、微力ながら力をお貸しします」

門の神の前に立つのは、二丁拳銃を構えた神奈義政だった。

まだ五歳という幼児でありながら、門の神とやり合っていた。

その理由は、彼の持つ銃が宇宙の要素が詰まった銃であることと、天使吉田たちから一時的に加護を受けているからだった。

「……お前、転生者だろ?」

「なんのことでしょう?」

「転生者だって言ってんだよ!」

「よく間違われますが、違いますよ。僕は、ただの五歳児です」

「お前みたいな五歳児がいるか!」

「二丁拳銃も、戦いもすべて幼稚園で習いました」

「そんな幼稚園、物騒だから転園したほうがいいからね!」

「おおきなお世話です。よき先生とよき友人がいる園から離れるつもりはありません。どうしようもない親のせいで辛い人生になると思いましたが、世界は存外暖かい。ならば、守りたい!」

「キラキラしてるな! おい! え? 本当に、転生者じゃないの?」

本気で尋ねている門の神の足や、腕には小さな穴が空いている。

すべて的確に義政に撃たれたのだ。

ダメージ自体は問題なく、すぐに再生できるのだが、関節や筋肉を的確に撃ち抜いてくるため行動ができない。

ひとつ治せば、またひとつ撃たれてしまうのだ。

厄介この上ない。

「……その拳銃も転生特典で貰ったもんじゃないのか?」

「いえ、普通に宇宙でもらいました」

「待って、待って、お願いだから待って。普通に宇宙でっておかしくない? 宇宙は普通じゃなくない? 嘘だよね?」

「僕の言葉を嘘と思うかどうかは、あなた次第ですよ、門の神よ」

義政は、そう言って引き金を引いた。

門の神の耳が飛ぶ。

「……ガキを殺すのは趣味じゃないんだが、ここまでされたら覚悟はできているんだろうな?」

「問題ありません。僕の役目はもう終わりましたから」

――ぱからっ、ぱからっ、ぱからっ。

「なに?」

――ぱからっ、ぱからっ、ぱからっ。

「僕の役目はあくまでも夏樹さんが戻ってくるまで、あなたを逃さないことです」

「……まさか」

義政は門の神の後ろを指差した。

「ほら、後ろにあなたにとっての絶望が迫ってきていますよ」

言われ、振り向いた。

「こーんにーちはー! ふたつめの異世界からずずいと帰還したのは誰かだって? そりゃ俺のことさ! ギャラクシー河童まんたメリー勇者! 由良夏樹だぁあああああああああああああああああああああ!」

大地を駆ける白馬の背に立ち、マンタを頭に乗せ、その上にはアザラシがいた。

白馬に乗るのは、由良夏樹。

異世界から帰還した勇者である。