軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

50「アマイモンが戦うんじゃね?」①

銀子が叫び倒れた。

よほど絶望したことを鮮明に思い出してしまったのだろう。

「銀子ぉ! おどれ、よくも三下の神の分際で!」

「くはははははは! 絶望が心地い! 私は君たちが絶望すればするほど力を増していく! とくに、君の仲間である佐渡祐介だったね。彼の絶望が、私に凄まじい力をくれているのだよ! ぜーっぜっぜっぜっぜっぜ!」

「祐介はあとでしばくんじゃ! あの男は、地球に戻れば普通の人間じゃ味わえん体験がまっとるちゅーのに!」

「ちなみに、私の三割分ほど祐介くんの絶望で賄ってもらっているのだよ!」

「祐介の絶望多すぎじゃろ!」

「ぜーっぜっぜっぜっぜっぜ! それでは、小梅・ルシファー! 君も絶望的に、絶望してもらおう!」

「くっ!」

小梅が身構える。

倒れた銀子を庇っているので、逃げられない。

新たに生み出された絶望ソードが小梅を襲う。

光の槍で受け止めるが、絶望を糧にしている絶望の神の力は先ほどよりも強い。

「……おのれ、銀子の分強くなりよって!」

「さあ! 絶望的に絶望したまえ!」

絶望の神が剣ではなく、腕を伸ばし、小梅の頭を掴んだ。

「しま」

「――さあ、絶望の時間だ!」

「おのれぇえええええええええええええええ!」

「ぜーっぜっぜっぜっぜっぜ! 心地よい絶望を味合わせてくれ!」

絶望の神の笑い声を聞きながら、小梅は身構えた。

身構えている。

身構え続けている。

だが、何も起きない。

「なんでじゃい!」

「……おやぁ?」

小梅と絶望の神が揃って首を傾げた。

「これは推測だが。小梅・ルシファー、お前は絶望したことがないのではないか?」

少年の声が響き、小梅はハッとする。

「そうじゃった! 俺様って、かわいいし! 美人だし! 足長いし! 美脚だし! 生まれも育ちもええんじゃし! 絶望なんぞしたことなかったわ!」

「絶望的だぁあああああああああああああああああああああ!」

絶望の神が叫び、絶望ソードを振り回した。

だが、絶望の神の腕を少年が受け止めた。

「――アマイモン! 絶望的に、いつの間に!」

「いや、さっきからおったじゃろう!」

「絶望的に気づかなかった!」

「おどれは本当に残念な神じゃのう!」

「茶番はもういいか? いいのなら、そろそろ死ね」

アマイモンの小さな拳が、絶望の神の鳩尾に突き刺さる。

「――かぁ」

叫ぶことさえ許されない衝撃が与えられ、絶望の神の口から血が吐き出された。

「お前のすることを見ていたが、つまらん。お前を殺し、由良夏樹と戦う準備をしよう」

そう言い放ったアマイモンが軽く地面を蹴ると回し蹴りを絶望の神の顔面に入れる。

どんっ、と音を立てて絶望の神の身体が吹き飛んだ。

「由良夏樹という強者と出会わせてくれた恩がある。せめて、絶望しない程度に殺してやる」