軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

38「祐介くんはいつだってダークサイドじゃね?」①

――佐渡祐介は絶望していた。

「千手さんも東雲さんも、人外っ子といちゃいちゃぬちゃぬちゃしてぇえええええええええええええええええええええええええええ!」

今までこれほど絶望したことはない。

この世界に理不尽に召喚された時も、尊厳を踏み躙られた時でさえここまで絶望しなかった。

「もう呪うしかない! 絶望的に、呪うしかない! この世界のカップルが滅ぶ呪いよ! 天から降り注ぐといい! さあ――絶望の時間だ!」

「……絶望の神とやらよりも絶望の神みたいになってるんだけど!?」

祐介の隣に立つソーニャはどん引いている。

ソーニャの長い人生の中で、祐介のような人間は見たことがないようだった。

「……僕は堕ちてしまった。夏樹くんさえ堕ちなかったダークサイドの深淵へ。まるで僕は闇に塗れた漆黒の堕天使! 純白の翼が黒くなっていく!」

「……サタン様をはじめ堕天使の皆様に謝ってください」

祐介の言葉は、一緒に戦っていた水無月都にはまったく理解してもらえなかった。

「……個性的でいいと思う」

「ボクは正直、ないかなぁって思うんやけど」

同じく一緒に戦っている水無月澪はなんとかフォローしてくれたが、円は否定する。

「――ふっ、僕はいつだって理解されない。あれは、そう。中学一年生の時のことさ。初めて買ったエロ本は……エルフさんとダークエルフさんがあんなことやこんなことされるものだった」

「急な暴露やめてくれませんか!?」

都は祐介に侮蔑の視線を向ける。

戦いの最中に、初めて買ったエロ本の話をする男だ。仕方がない。

「というか! 佐渡さん! あなたがダークサイドに落ちようが、堕天使だろうがどうでもいいんです!」

「ひどい!」

「佐渡さんにとって因縁の相手と戦っているのに、どうしてそんなに余裕なんですか!?」

「余裕じゃないやい! 僕の心はブレイク寸前!」

「知りません! どうでもいいですから、モテない僻みを敵に向けてください!」

「……都さんってめちゃくちゃ言うよね。申し訳ないけど、人間の女の子に言葉責めされても嬉しくないんだ」

「……そろそろ真面目に戦うか、死ぬか、選んでください」

都の目は本気だった。

祐介が不用意な言葉を溢せば、敵よりも敵になるだろう。

「仕方がない。さっさと敵を倒して千住さんと東雲さんのいちゃいちゃらぶらぶぬるぬるを邪魔しよう」

きっ、と祐介は鋭い視線を敵に向けた。

「……えっと、もういいかな?」

「お待たせしました!」

視線の先には、祐介の暴走を律儀に待っていてくれたブレイバーズ王国国王サイラス・ブレスコット率いる、ブレイバーズ王国軍だった。