軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

間話「グレートな学校の神じゃね?」

――由良夏樹と愉快な仲間たちが異世界でやりたい放題している頃。

向島私立第一中学校の三年生の教室に、あずき色のジャージを身につけた「学校の神」が教壇に立っていた。

若干の緊張を含んだ彼女は、三つ編みをして、眼鏡をかけている。

隣に立つ、担任教師の月読は大きく嘆息する。

「本日は、副担任の先生を紹介します。自己紹介をどうぞ」

「うむ」

「学校の神」は頷くと、生徒たちを見た。

「私は――萌乃萌葱! グレートティ」

「はーい、ストーップ! いろいろな方面から怒られてしまうので、やめましょうね」

ぱーん、と音を立てて「学校の神」改め、萌乃萌葱の頭を叩く。

「何をする、月読」

「月読先生、です」

再び頭を叩く。

「子供たちに物事を教える前に、自身の態度を見直しましょうね」

「……申し訳なかった」

「わかっていただければ、なによりです。では、改めて自己紹介をどうぞ」

萌葱は咳払いをすると、腕を組み、胸を張った。

「私は――萌乃萌葱! 萌え萌え先生と呼んでくれ!」

月読が頭痛を覚えたような顔をしていた。

「私は君たちと青春するために先生になった! そして、由良夏樹を更正させるためにこの学校に来た!」

「――ちょ」

異世界にいるであろう夏樹を名指ししたことに月読が慌てるが、生徒の九割が拍手喝采で萌葱を迎えた。

「えぇー」

まさかの反応に、月読は戸惑う。

生徒たちは、「青春」に反応したのか、「由良夏樹の更正」に反応したのか判断に困る。

「……最近の子がわからなくなりました」

長い教師生活を送る月読だったが、さすがにこの展開は想定していなかった。

「――掴みは完璧だ!」

萌葱は生徒たちの拍手を受け、ドヤ顔だった。

空席の夏樹の席の隣に座る、男子生徒片岡は突然胸に走る甘酸っぱい痛みに胸を抑えていた。

「――っ、この胸の痛み……まさか、一目惚れ?」

そんな片岡の隣に座る茶色い髪と伸ばしてネイルをした爪をいじる少女森は、イラついた顔をして萌葱を見ている。

「……あの女、片岡くんに色目使いやがって……許さない」

――萌葱の学園生活の行末は如何に?