作品タイトル不明
48「聖剣さんの過去じゃね?」①
「師匠が看守!?」
「つまり、聖剣さんは囚人ってことっすか!?」
夏樹と銀子が老人の正体に驚く。
小梅は腕を組み、何やら考えている。
「小梅ちゃん? なんかリアクション薄くない?」
「どちらかと言うと、俺様的にはこの聖剣がなにをしでかしたのか気になるんじゃが?」
「……確かに」
看守がつくほどのなにかをしたという聖剣さんの過去が気にならないと言ったら嘘になる。
聖剣さんは、ふん、と鼻を鳴らした。
「勝手に想像すればいいわ」
「じゃあ、あれじゃな、オレオレ詐欺じゃ!」
と、小梅が閃いたとばかりにドヤ顔をする。
「小梅さん、さすがにオレオレ詐欺で異世界に封印されはしないでしょう。おそらく、美人局っすよ!」
「おどれも変わらんじゃろう!」
銀子もドヤ顔をするが、どこか方向性が違う気がする。
「待てよ、姉御。由良の力の根幹である聖剣の姉御だぜ? ――盗んだバイクで暴走したと見た!」
「それじゃ!」
「きっと暴走族の総長だと思うぜ」
千手の予想も、どこか微妙だった。
「千手はんまでボケたら誰が突っ込むんや? 自分的には、この強さを利用した、強盗やね」
「あり得るな」
東雲もどこかズレていた。
夏樹は頭を抱えた。
「駄目だ! 小梅ちゃんたちの考えてる犯罪は悪いことだけど、全然ファンタジーじゃない!」
夏樹はそれぞれの推測に不満を抱く。
しかし、ファンタジー的な犯罪を思いつかなかった。
「……勇者由良夏樹の師匠であるご老人が看守をするほど強い力を持つ聖剣どのだ。大陸を消し飛ばしたとか、国を滅ぼしたとかそういうのではないのか?」
「――なるほど! その線があったか!」
ギーゼラの口にした予想は、夏樹にとってちゃんとファンタジーだった。
「このお馬鹿ども! どうしてそんな微妙なのよ! もっとすごいことしたんだからね! べ、別にヒントをあげたいとかじゃないんだから勘違いしないでよね!」
「急なツンデレありがとうございます! ――で、実際はどんなことを?」
夏樹が疑問を口にすると、少し気まずそうに聖剣さんが呟く。
「――――――――た」
「なんて?」
よく聞こえなかったので、夏樹が再び問う。
すると、聖剣さんは気まずそうに、どこか恥ずかしそうに叫んだ。
「――世界を滅ぼしたのよ!」
夏樹たちは、口をあけてしばらく沈黙する。
そして、声を揃えた。
「えぇえええええええええええええええええええええええええ!?」