軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

間話「魔法少女も大変じゃね?」③

「お兄ちゃんの良さは私がわかっていればいいの。それで、できるの? できないの?」

ひなたの問いに、くれないは首を横に振った。

「いくら魔法少女に不思議な力があっても、女の子をモンスターにすることなんてできないわ」

「……そう。残念」

「仮にできても魔法少女的に絶対にできないけどね!」

「…………」

「無言が怖い!」

「いいよ。じゃあ、魔法少女になる」

「――魔法少女になる!? じゃあ!? モンスターになれないからって妥協で魔法少女になろうとするの!?」

「仕方がないじゃない! 人間やめたいの!」

「別に魔法少女は人間辞めてないんだけどね!?」

「え? そうなの?」

「そうよ! 花の十代を犠牲にして、二十代も犠牲にしたのに、人間であることまで犠牲にしてたまるものですか!」

くれないの魂の叫びに、ひなたはあからさまにがっかりした。

魔法少女を人外と思っていたが、そうではなかったらしい。

とても悲しいようで、その場に体育座りをして膝の間に顔を挟んでしまった。

「でも、あなたには素質があるわ! 魔法少女としての資質なら、私以上よ! ――あなたも魔法少女にならない!?」

「…………」

「落ち込んでないで反応して! お姉さん寂しい!」

ひなたの才能を見出したくれないが魔法少女に誘うも、人外ではない魔法少女にひなたは興味を示さない。

「嫌です」

「いいじゃない!」

「人外じゃないなら結構です」

「才能があるのに!」

「才能があってもいやです」

「確固たる意思!」

ひなたにとって祐介の興味を引くことだけが目的だ。

この流れで魔法少女になったら、くれないのように気づいたら三十路なんてことになっているのは望まない。

魔法少女として戦う日々を送るくらいなら、ダメ元で夜這いをした方がまだ兄を落とせる可能性がある。

「……残念ね。わかったわ。お姉さんの負け! 魔法少女へのスカウトは諦めます」

「そうしてくれると嬉しいです」

「私としても、仲間が増えてくれるのは嬉しいけど、敵に捕まってモンスターにされても困るしね」

「あ、後継者とかじゃないんですね。――え? 今、なんと?」

「え? スカウトは諦めるって言ったのだけど?」

「そうではなくて……捕まって改造ですか?」

「その可能性だってあるわよ。地底人と戦ったときだって、私は囚われてしまってね。もう少しで地底怪人にされるところだったわ」

「――私、魔法少女になります!」

「――なぜ!?」

くれないが愕然とするが、ひなたは気にしていない。

「――くくく、くははははははは! その発想はなかったわ! 魔法少女になって敵に囚われる! そして改造! 白馬に乗ったお兄ちゃんが私を救出! こんな変わってしまった私を見ないで! むしろ好みだ! 結婚しよう! ――合体! ……完璧じゃない」

「えー?」

「くれない先輩! 私、魔法少女として頑張ります!」

「……頑張る方向性が怖いけど、魔法少女の存在も知られちゃったし、司令官の指示を仰がないといけないものね。ひなたちゃんが魔法少女になるかどうかは、さておき、私としては才能ある子が仲間になってくれると嬉しいわ。

ひなたの妄想に引きながら、笑顔を作ってくれないは手を差し伸べた。

「歓迎します! ようこそ、魔法少女みゅあみゅあぽるりーへ!」

「――名前だっさ!」