軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

14「有言実行なんじゃね?」①

「あー、ごほん! ブレイバーズ王国国王サイラス・ブレスコット! 俺は魔族さんを虐げる、お前たちを許さん!」

「…………」

「…………」

「…………」

「…………」

「…………」

「…………」

拳を固く握りしめ、かつて自分を召喚したブレイバーズ王国の国王サイラスに憤りを吐き出す夏樹だったが、魔王ギーゼラをはじめとした一同は夏樹に沈黙を持って答えた。

「…………魔族さんの未来は俺が守ってみせる!」

「…………」

「…………」

「…………」

「…………」

「…………」

「…………」

再び沈黙だった。

「ねえ! なんか言ってよ! 沈黙に耐えられない!」

「……美脚好きは恥ずかしいことじゃないんじゃから、隠そうとせんでええんじゃぞ」

「優しい声で言わないで! べ、別に誤魔化してなんかないんだからね!」

「思春期の男の子には少々恥ずかしかったっすかね。私も学生時代は趣味を隠していましたが、同志を見つけてからはもう完全にオープンでしたっすね! 夏樹くんも私たちには美脚好きが知られているんですから、開き直ってもいいんすよ!」

「開き直ってどうしろと!?」

「それはさすがに俺様たちの口からは」

「言えないっすねぇ」

「小梅ちゃんと銀子さんの中で、俺はなにしようとしてるの!? くそぉ! これもすべてブレイバーズ王国をはじめ、腐った異世界人どもが悪いんだ! こうなったら、聖剣に選ばれた伝説ギャラクシー河童勇者なっちゃんは、修羅の道に――!」

夏樹が叫ぶと、ギーゼラが頭が痛いとばかりに額を抑えた。

口にこそしないが「心底疲れる」という顔をしている。

「そこまでにしておこう。我は勇者が脚が好きでも、尻が好きでも気にしない。問題は、ブレイバーズ王国をどうするか、だ」

「……前半は納得できないけど、話が戻るからよしとするよ」

「そうしてくれ。ひとつ、勇者由良夏樹に尋ねたいことがある」

「ノンノンっ! ギャラクシー河童勇者と呼んでくれたまえ!」

「…………ギャラクシー河童勇者? にお尋ねしたいことがある!」

「いいよ! なんでも聞いて!」

律儀に言い直してくれたギーゼラに、夏樹は笑顔で応じる。

「お前は、この世界に戻ってきてから異世界人を殺す、異世界を滅ぼすと口にしているが、どこまで本気なのだ?」

「え? 全部本気ですけど?」

「え?」

「え?」

なぜそんなことを尋ねられたのかわからない夏樹が、こてん、と首を傾げた。

「くぉら! 夏樹ぃ! 異世界人は滅ぼしてもいいけど、異世界は滅ぼしたら駄目じゃとゴットからも言われておるじゃろう!」

「滅ぼすのは異世界人だけっすよ!」

「あ、そうだったー! てへへ、なっちゃんうっかりさん! というわけで、異世界人は鏖殺するので、あとは魔族さんがこの世界を発展させてくれればオーケーです!」

ひとつの種族を滅ぼすと、何の躊躇いもなく言う夏樹に、ギーゼラとラーラ、そしてオズワルドが震えた。

「――この勇者なんかこわい!」