軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

間話「父とまもんまもんじゃね?」③

「ま、まもん……確かに、動画配信者は将来が不安なまもんまもんですが。かつて得た金銀財宝まもんまもんや貯蓄はあるのでまもんまもん」

「……つまりマモンさんは、動画配信だけして働く気はない、と?」

「ままままま、まもん! そんなつもりはありまもん!」

「それはどっちだよ! 微妙にわかりづらいまもん使うな!」

サマエルが動揺しているマモンに突っ込む。

最近は、右肩上がりで登録者も再生回数も増えているので忘れていたが、動画配信者が不安定な仕事であることは間違いない。

「って、違う! 待ってください! 私とマモンは動画配信を主な仕事としていません!」

「……そうなのですか?」

「そうなのでまもん?」

門治が不思議そうな顔をして、マモンが首を傾げた。

「マモンもかよ! 引っ叩くぞ! 私たちは――農家だろう!」

サマエルの叫びに「――ま」とマモンが思い出したように、口を開く。

「こ、この野郎! お前な、私は農家で、趣味で動画配信していただけだっただろう! お前の個性のおかげでチャンネルが伸びたけど! 本業は農家だぞ!」

「そ、そうでまもん。さまたん様は……林檎農家でまもんまもん」

「そうだよ! 私もたまに忘れそうになるけど、林檎農家だよ! 最近は野菜も育てているし、引退したおじいちゃんおばあちゃんの畑も買って拡大中だよ!」

さすがに、マモンがサタンに叛逆をした罰で青森にいることはサマエルも口にするつもりはない。

聞こえが悪いのもそうだが、真門一家へ不必要にこちら側の情報を与えることは望ましくないのだ。

「そうでしたか。サマエルさんのご活躍は母からお聞きしています」

「ありがとうございます。マモンにもきちんと給料を出していますので、亜子ちゃんに苦労させることはないと思いますよ。万が一金に苦労することがあっても、上司である私が支えます。付き合いだけなら長く、家族ですから」

「……さ、さまたん様もんまもん!」

サマエルから「家族」とはっきり言われたマモンが瞳を潤ませた。

門治が深く頷く。

「わかりました。マモンさんは働いていらっしゃり、安定した収入もある。信頼できる上司もいらっしゃる。――ならば、これ以上私は言うことはありません」

門治は、その場に手をついて深く頭を下げた。

「――――娘を、亜子をよろしくお願いします!」

父に続き、母撫子と亜子もお辞儀をした。

「こちらこそ、よろしくお願いいたしまもんまもん!」

「……最後はちゃんと挨拶しろよぉ」

マモンとサマエルも深々とお辞儀をする。

こうして、顔合わせは無事に終わる――と、思われた。