軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

19「ついに合流だけどなんか怖くね?」②

祐介の登場に、仲間たちが集まってくる。

夏樹は祐介に落ち着くようにミネラルウォーターを投げる。彼は受け取ると、一気飲みをして一息ついた。

「お水おいちぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」

「……祐介くんが壊れちゃった! 許せねぇ、異世界め! 俺たちの大事な祐介くんをこんなにしやがって!」

夏樹は祐介の変わりように涙を流した。

どれだけ辛い目に遭えばこのような壊れ方をするのだろうか。

彼を召喚した人間たちを許せなかった。

「……祐介はもともとこんなんじゃったじゃろうて」

「そうっすねぇ。こんな感じだったっすねぇ」

しかし、小梅と銀子はビール片手に冷たい対応だ。

千手、東雲、征四郎、義政も彼女たちに同意するのか、「うん、うん」と頷いている。

「相変わらずやべえ奴だな……こわ!」

「見ろよ、あの血走った目。もう物怪の類だぜ」

「べあべあぁ!」

星熊童子、虎童子、熊童子という鬼からも「やべえ奴」扱いされている。

円だけが「あ、あははは」と引き攣った笑いだけで済んでいた。

「そう言ってやるなよ。召喚されてから飲まず食わずで、口の臭い女に迫られた挙句、死刑になりかけたんだから……そりゃ、壊れるさ」

祐介をフォローしたのは、褐色の肌を持つ小柄なメイドだった。

彼女はガネーシャの背中から飛び降りると、少し怯えた様子を見せながら、夏樹の前に立った。

「褐色ロリメイドさんだ!」

「……ダークエルフのソーニャだ! 久しぶりだな、勇者由良夏樹」

まるで知己のように声をかけたソーニャだったが、夏樹はなんのことかわからず首を傾げる。

「…………?」

「いや、わかんない、みたいな顔をするなよ! ほら、私だよ! 覚えてないのか? お、おい、まじかよ! ベアトリス・ブレスコット付きだったメイドだよ! お前が召喚されてからずっとそばにいただろう!」

「…………わかんない!」

「まじかよぉ」

まず、ベアトリス・ブレスコットという名前に心当たりがなかった。

夏樹は、思い出そうとするが、異世界で出会った人間や魔族の顔はうろ覚えな人が多いのだ。

「……ま、まさかソーニャさんが夏樹くんと知り合いだなんて……僕のヒロインだと思っていたのに……こ、これが寝取られ!?」

「……祐介っちは業が深いなー」

ガネーシャでさえ、祐介の言動に苦笑いしている。

「とりあえず、祐介くんもガネたんも、よかったらソーニャさん? も、よかったらお肉を食べてよ」

「久しぶりのお食事、いただきます!」

「ありがてえ、いただくぜい!」

「わ、私もいいのか?」

「もちろん、祐介くんを助けてくれたのは知っているし。ありがとうございました」

夏樹はソーニャに頭を下げた。

祐介の処刑を止めることはできたが、あの場でいち早く動いて彼を助けてくれたのはソーニャだ。

祐介が命を奪うことを自分のように割り切れていないことを知っている夏樹は、彼女のおかげであの場で祐介が戦わずに済んだことに感謝していた。

「……まさかあの勇者由良夏樹に礼を言われる日が来るとは思わなかったぜ。だが、礼はいらないよ。私が助けようと思ったから助けただけだ」

「うん。それでもありがとう」

「素直に礼は受け取っておく。飯もありがたくいただくからな」

「どうぞどうぞ!」

ソーニャは夏樹にそう言うと、祐介とともにみんなの輪に加わる。

さっそく酒飲みたちにビールを渡され「なんだこの酒うめぇえええええええええ!」と叫んでいた。

「ガネたんもありがとう!」

「いいってことよ。なぜか俺っちだけ変なところに転移して焦ったけど、結果的にはオーライってことでな!」

「いなくてびっくりしたよ。さあ、ガネたんも食べて食べて! お酒もあるよ!」

「ぱおーん! いいねぇ、みんなで楽しくやりますかい!」

ぽん、と人型の姿になったガネーシャと肩を組んで、夏樹はバーベキューを再び楽しむのだった!