軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

エピローグ「アマイモンさんたちがアップを始めたんじゃね?」

ブレイバーズ王国。

王城の城壁の上で、アマイモンとガープは空を見上げていた。

「――来たか、由良夏樹よ」

「……アマイモン様、俺はわくわくしています」

「ガープよ、私も同じだ。ようやくこの身を全力でぶつける相手が現れた」

少年の姿のアマイモンと、青年の姿のガープは、地球で夏樹と会ったときのような軽装のままだ。

異世界では浮くが、ふたりは気にしていない。

すでに、ふたりの力を理解できず、つっかかってきた兵士がいたが、手足をちぎられるという散々な目に遭っている。

「魔王サタンは名ばかりの魔王となり、サマエルも現役を退いて久しい。かつて彼らに敗北した私が言える権利はないが……私は戦いたい。長い時間、鍛え続けたこの力を使いたいのだ」

「わかります、アマイモン様。魔族も天使も日和やがった。俺たち魔族の闘争本能を抑えるのはありえねえ。魔王が魔王として機能せず、生真面目なルシフェルが魔界を仕切る。ふざけんな、今の俺たちはあいつらよりも強え」

「その通りだ。ならば、仮に裏切り者と謗られても――魔族という種族を捨て、新たな神々に喜んで加わろうではないか」

「くくくっ、新たな神々も、あとで殺しましょう」

「無論だ。我々は、戦うのだ。強さを示し、戦い、その果てに死ぬのだ。それが生命としてのあり方だ」

アマイモンたちは、新たな神々と共に神話を作るつもりはない。

あくまでも、魔族や神々と戦いたいだけだ。

弱者を踏み躙るのではなく、強者と戦い勝利したいのだ。

新たな神々を利用し、戦いを得た後には、新たな神たちでさえ殺してしまうと考えていた。

「アテーナー殿とも戦ってみたいが、今は由良夏樹が魅力的に映る」

「アマイモン様、俺が先ですよ!」

「ふっ、昂っているな、ガープよ。では、順番はじゃんけんで決めるとしよう」

アマイモンとガープが、いざジャンケンをしようと構えると、

「もすもすもすもすもすもすもすもすもす!」

「もーろーこしこしこしこしこしこしこし!」

無駄に主張の激しい人物がふたり、現れた。

空から勢いよく降って、着地したのはぼさぼさな黒髪を伸ばした、獣のような二十歳ほどの女性だった。

背が高く、肉付きはいい。

膝上まであるロングブーツ、デニムスカート、レザージャケットを羽織っている。

もうひとりは、腰蓑を巻き、頭に植物や羽を飾った三十ほどの男性だった。

日に焼けた健康的な肌、細身だが引き締まった肉体。

そして、金色のオーラを放っている。

「もすもすもすもすもすもすすも!」

「もろもろこしこしもろこしこし!」

「……相変わらず主張が無駄に強いやつだな」

「そう言うな、その時代、その場所で、表現の仕方がある。少々、我らと毛色が違くとも、構わない」

「さすがアマイモン様! 懐が深海です! さすアマ!」

アテーナー、ガープ、アマイモンに続き、新たな魔族と神が異世界にいた。

「よせ、我は褒めなれていない。さて、お前たちも由良夏樹に興味津々と見た」

魔族と神が肯定するように笑った。

「ならば、じゃんけんだ。誰が一番手になるか、さあ、決めようではなか!」

――このあと、めっちゃじゃんけんした。