軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

37「テンション爆上がりじゃね?」②

「ようこそ、京都へ。ギャラクシー河童勇者御一行殿をこの玉藻前とその配下たちは歓迎するのじゃ」

「ロリババァなのじゃきたぁああああああああああああああああああああ! ふうううううううううううううううううううううううう! やっぱ九尾さんはロリババァじゃないとねぇええええええええええええええええええ! ぷるやっほうぅうううううううううううううううううううう!」

座敷に上がった夏樹たちを待っていたのは、座布団の上にあぐらをかいた十歳ほどの少女だった。

巫女服を身につけた少女の腰から九本の尻尾が出ている。

祐介がテンションを上げるのは理解できた。

夏樹も、祐介が絶叫しなければ、似たようなことをしていたかもしれない。祐介のおかげで一周回って冷静になれた。

「……この子、怖いのじゃ」

「ありがとうございますぅうううううううううううううううう! ふぅううううううううううううううううっ!」

びくんびくんっ、と身体を痙攣させながら感極まる祐介に九尾の狐だけではなく、夏樹たちも恐怖を覚えた。

「俺、勇者だけど祐介くん怖い」

「俺様はルシファーだけど、こやつ怖いんじゃが」

「おっちゃん、酒呑童子だけどこの子怖すぎるんだけど」

「妾、九尾の狐だけどめっちゃ怖いんじゃけど」

「一般枠の俺だってこいつはこええよ!」

それぞれが祐介を未知なる生物でも見るような目を向けていた。

ただ、この状況では話などできないので、千手が蹴りを入れ、夏樹がアイテムボックスからしめ縄を取り出し、酒呑童子が流れるように祐介を亀甲縛りにした。

「……きんもい事言われても嫌じゃから、猿轡もしといたほうがええんじゃないかのう?」

小梅の提案を受けて、夏樹はアイテムボックスに手を突っ込むが、残念ながら猿轡は入っていなかった。

「……あ、なんか映画で見たことあるけど、猿轡の代わりに靴下とか突っ込むのはどう?」

「おっちゃんのいい感じの靴下使うか?」

酒呑童子が靴下を脱ごうとすると、祐介が絶望した顔をした。

「や、やめてくれ! いくらなんでもおじさんの蒸れた靴下は嫌だ! やだやだ! 九尾の狐様の御御足から足袋を借りればいいじゃないか! 僕もそれなら大人しく受け入れるよ!」

「…………」

九尾の狐を前に絶好調の祐介に、一同がドン引きだ。

「酒呑童子のおっちゃん、靴下じゃなくてパンツ脱いで」

「…………待って、待って、夏樹くん。それはあんまりだ! おい、やめろ! 酒呑童子のおっちゃんが恥ずかしそうにベルト外しだしたんだけど、ちょ、ま、いいのか、そんなことしたら、大地の勇者の全力が京都のトンカツ屋さんでお披露目だぞ!」

びったんびったん、跳ねながら全力で抵抗しようとする祐介は、これでもかというほど魔力を高める。

間違いなく死ぬ気で抵抗するだろう。

「……ほう。人間とは思えない力じゃのう」

「こりゃすげえ。おっちゃんもびっくりだわ。安倍東雲以外に、人間でこんな規格外がいるとは思わなかったぜ。まぁ、違う意味で規格外ではあるんだろうけどさ」

祐介の魔力を感じ取り、緩やかな空気が張り詰めた。

警戒の色を見せたのは九尾の狐であり、好戦的に笑ったのが酒呑童子だった。

とりあえず、これ以上祐介がご乱心して話にならないと困るので、亀甲縛りのまま畳の上に転がっている彼の背中に夏樹と千手と小梅が仲良く座った。

「……祐介くん。次、ご乱心したら、酒呑童子の靴下とパンツを突っ込むから」

「うん。大地の勇者祐介くんは正気に戻った」

「よし。じゃあ、真面目な話? でもしよっか!」

「……いや、無理じゃろ」