作品タイトル不明
14「青春を謳歌している生徒たちは太陽よりも眩しくね?」②
「笹山先生がすみません。僕たちは従兄弟ではなく、双子の兄妹です」
「先生ったら、必ず私たちでこれをやるんです」
「……いや、すまんのじゃ。大きな声を出すのはいかんかったのう。って、結局、双子なんかい!」
申し訳なさそうな顔をする進藤慎太郎と進藤まりえに、小梅も謝罪する。
「いえ、よくあることですから。みなさん、ようこそ我が校に。今回の見学がより良いものになりますよう、お手伝いさせていただきます」
「気になることがあれば、遠慮なく聞いてくださいね」
爽やかな笑顔を浮かべる進藤兄妹。
どうやら癖があるのは笹山だけのようだ。
「ははは、すみません。改めて、私の担当する、二年B組の生徒たちです。今は、体力作りを主にしていますが、霊能面でも優れている子たちです」
「よろしくお願いします」
夏樹たちが生徒にお辞儀をした。
生徒たちもお辞儀を返してくれる。
(――おかしい、お前どこ中だよ! とか絡まれないんだけど……むしろ、爽やかな少年少女たちがきらっきらしていて、眩しい!)
夏樹は学園生活をエンジョイしている生徒たちに目が眩みそうだった。
事前に聞いていた情報だと、この学校では上からA、B、C、Dとクラスが振り分けられるらしい。A組が名家のエリート、B組が優秀な生徒、C組、D組がやや実力が劣る生徒から一般枠などで入ってくる生徒のようだ。
昨今、霊能力者の力が弱まり、旧家でもC組、D組になる子も珍しくないようだ。
「それで、先生。せっかく見学に来てくれた子たちに黙々と走っている姿を見せるのもどうかと思うんですが……」
「そうですね、学園生活を見てもらいたかったのですが、こちらの都合でゴールデンウィークになってしまいましたので、君たちと交流してほしいと思っていました」
「学園での日々、ですか?」
「そうです。我が校は基本的に全寮制ですので、日常を知ることは大事かと思いまして」
「……なるほど。じゃあ、僕たちが学校案内をしますよ」
「先生だと話せないこともありますし」
進藤兄妹がそう言ってくれると、笹山が頷く。
「そう言ってくれて嬉しいです。では、由良夏樹くん、三原一登くん、水無月都さん、安倍円さんをお任せします。月読先生と、保護者の方々は、私がご案内しましょう。ここは若い人に任せて、ということで」
「なんでそんなお見合いみたいなこと言いだすんじゃ!?」
「一度言ってみたかったのです」
「……そ、そうか。思えば俺様も言ってみたいと思ったことはあっても、言ったことはなかったのう」
どうも笹山のペースは、小梅のペースを崩してしまうようだ。
小梅だけではない。夏樹たちと相性が悪い。
いつのもペースで話を進めることができないのだ。
「じゃあ、先生たちは先生たちで。僕たちが学校案内を」
「どうしてB組程度の奴らが学校の代表みたいな顔をしているのか理解に苦しむね」
進藤慎太郎が夏樹たちにそう言った時、体育館に複数人の生徒が入ってきた。
制服姿の生徒たちが、真っ直ぐにこちらに向かって歩いてくる。
先頭を歩く、身なりをきれいに整えた少年が口を開いた。
「笹山先生も人が悪い。一般から我が校に入学しようとしている中学生がいると聞いて、飛んできましたよ。そのようなことは、我々A組に任せていただきたかった」
「……赤嶺くん」
「私に任せてくれれば、一般人に分不相応な夢を持たせないように心を折ってあげましょう」
どうやらA組がB組を見下した挙句、一般枠で見学に来ている夏樹たちに霊能力者になれるわけがないだろうと小馬鹿にしにきたらしい。