作品タイトル不明
2「自分を特別だと言う奴ほど痛々しくね?」②
「ぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ!」
素盞嗚尊が腹を抱えて笑い始めた。
よほどツボに入ったのだろう。
これでもかと全力で爆笑している。
「いやいや、面白すぎだろ! お前! 久しぶりにこんなくだらないことで爆笑しちゃったじゃん! おまっ、笑い殺す気か!」
「……素盞嗚、彼は本気なので笑わないように。……気持ちはわかりますが」
「ほえ?」
素盞嗚尊が変な顔をした。
まるで月読の言葉を理解できなかったと言わんばかりの表情だ。
「だから、そういう顔をしないように」
「え? ちょ、待って待って、あの人って真面目に俺は世界に選ばれたんだぜ、どやぁって言っているの?」
「そこまでは言っていませんが、まあ、そうですね」
「……とっても痛々しい! 神や魔族だって、そんな大口を本気で叩かないんですけどぉ! うわっ、やだ、「帝国」って厨二病を患った方々の組織なの? よく見たら、こいつ眼帯して腕に包帯巻いているんですけどぉおおおおおおおおおおおおお!」
「……本当ですね。さすがに、えっと、いえ、頑張ってください」
「兄ちゃん、なんでフォローしてんだよ! ぶひゃ、ひひひひひっ、ぶはっ、お腹、痛い!」
素盞嗚尊は息が止まってしまいそうなほど笑い続ける。
月読も、さすがに眼帯と、腕に包帯を巻いた保に弟と同じ感想を抱いてしまったようだ。
「私の眼帯と包帯が気になりますか?」
保は怒ることなく、どこか遠くを見て「ふっ」と微笑を浮かべた。
「これは異世界で魔眼王と呼ばれる魔王を倒した時に、意図せず彼の力を手に入れてしまったことが始まりでした」
「……え、いや」
「……嘘ぉ」
説明を始めた保に、月読と素盞嗚尊が動揺する。
まさか眼帯と包帯の理由の説明が始まるとは思ってもいなかったのだ。
「魔眼王の力は凄まじいものでした。私も未熟であることもあるのですが、この眼帯をしていなければときどき力を持て余してしまうことがあるのです。腕の包帯は、魔眼王を倒したあとに戦い討伐した邪龍の力を宿しているのです。私がこの身に封じなければ異世界は滅んでいたでしょう」
「あ、はい。そうでしたか、それは大変でしたね」
「コッテコテの設定を披露しやがって。やべえよ、こいつメンタル強ぉ」
真実かどうか定かではないが、保の抱える魔眼と邪竜の力の設定に月読と素盞嗚尊がドン引きした。