作品タイトル不明
45「仕返しするのは基本じゃね?」②
「夏樹くんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!?」
「お兄ちゃぁああああああああああああああああああ!?
「ちょ、あんたぁああああああああああああああああ!?」
止める間もなく雷を撃った夏樹に、一登、杏、すみれが絶叫した。
夏樹を襲った襲撃者たちが、「あんな恐ろしいものになんてことを」と震えている。
はぐれ霊能力者たちの中で、夏樹は強い少年を通りこして、「なんか怖い存在」にランクアップしたようだ。
「ちょちょちょちょちょ、何やってるの、夏樹くん! 誰か、誰か、千手さんを呼んできてください! 僕たちじゃツッコみきれない!」
「慌てるな、一登、杏さん、すみれさん」
「慌てるさ!」
「死者は一人も出していない」
「あれで!? むしろ、そっちの方が難しくない!? あれだけの雷を落としておいて、死なないの!? というか、雷を放つのに手加減もなにもないような気がするんだけど!」
「そんなにはしゃぐなって!」
「はしゃいでないよ! というか、はしゃげないよ!?」
一登は夏樹の胸ぐらを掴んでがっくんがっくんと揺する。
だが、大きな声を出しても、もう撃たれた雷がなんらかの被害を出しているはずだ。
「と、とにかく雷が落ちた場所に行こう!」
「さすが一登。ちゃんと目を見てぶっ殺すんだな?」
「違うよ! 周囲に被害がないかとかもっと他に気にするところあるでしょう!」
「はっはっは! ちゃんと吉座くんがいるビルだけをぶっ壊したから大丈夫!」
「……夏樹くんの大丈夫は大丈夫じゃないだけどなぁ」
「そこまで言うなら、行くか。吉座くんが二度と俺たちに手を出せないように、物理的に手を奪う必要もあるし」
「そんな物騒なことをしなくてもいいから!」
眉ひとつ動かさずに恐ろしいことを言う夏樹に、一登は喉が枯れるんじゃないかと思うほど叫び続けた。
杏とすみれはもう言葉もない。
特に新たな神々であるすみれは「この子と敵対している新たな神々って滅ぼされるんじゃない!?」と震えていた。
「とりあえず、行くぞ! 杏さんとすみれさんはどうする?」
「杏もいく! 一登だけじゃ大変そうだろうし」
「ありがとう! とてもありがとう!」
「私もいくわ。ここまで関わったら最後まで見届けるわ。このツインテールにかけて!」
「よくわからないけど、ありがとうございます!」
「んじゃ、行くねー」
夏樹は三人を手招きして集めると、スマホを耳に当てる。
「――メリーさん流移動術」
そう言った刹那、夏樹たちの姿が消えた。
この時、唖然として夏樹たちを見送ったはぐれ霊能力者たちは後に語った。
「……中学生を相手にしているのか、それとも河童なのか、それともメリーさんなのかわからなかった。わかるのは、なんかこわかった。ギャラクシー河童勇者万歳!」