軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

間話「まもんまもんな監督じゃね?」②

――青森某所。

「…………まもんまもん。先日の動画をまもんまもんとアップしたのにハリウッドからオファーがこないでまもんまもん」

「…………おかしい。この間動画で女優デビューしたのに、ハリウッドからスカウトが来ない」

畑仕事を休憩中。

家の中でみんなで休憩している時、マモンとサマたんはそれぞれメールチェックをしていた。

ふたりとも、先日のダンジョンの神と一緒に撮った動画の反響が良かったので、「スカウト」と「オファー」待ちだった。

「――まもんっ、さまたん様、お言葉ですがまもんまもんな夢を見るのは少々見苦しいかと」

「おい、マモン。なんちゃって監督しかやってねえお前にオファーが来るわけねえだろ」

ふたりは同時に、お互いのことをディスりはじめた。

近くで雑誌を読んでいた周平が「――え? ガチでハリウッドから声かかるって思っていたんですか!?」と驚いているが、さまたんにもマモンにも聞こえなかった。

「おいおいおいおいおい、言ってくれるじゃねえか」

「まもんまもんまもんまもん、失笑してまもんまもん」

「私がアメリカにいた時、どれほどスカウトあったか知らないだろ? 受けていたら、今頃世界に名を轟かす女優だったぞ」

「まもんまもん。このマモン、青森に来る前は若手の俳優や監督に出資していまもんまもん。さまたんのように、言うだけならまもんまもんですが……」

「言うじゃねえか」

「言いまもんまもん」

「よし、じゃあ、次は周平がデスゲームに巻き込まれて文字通り死にそうになる動画を撮るぞ!」

「――あれ!?」

「良いでまもんまもん。リアルを追求するためのまもんまもんとしてガチでデスゲームをまもんまもんしようではありまもんまもん。遊戯の神を呼ぶのでまもんまもん!」

「ちょ、ちょ、ちょ、俺まで巻き込まれてますけど!? 俺、仕事終わったらバイクを整備しないといけないんですけど」

「心配するな、バイクなら買ってやる!」

「まもんまもん! 相変わらずケチ臭いでまもんまもん! このマモンならば、メーカーごと買収するでまもんまもん!」

「いや、あの、お気持ちだけいただいておきますね」

このままではふたりの喧嘩に巻き込まれた挙句、本当にデスゲームさせられそうだったので周平はこっそり逃げ出した。

休憩していた他の面々も仕事に戻っていく。

さまたんとマモンの独自の世界に巻き込まれると、大変なことになることはよく知っているのだ。

「はっ、周平に逃げられてるじゃねえか」

「周平はさまたんにまもんまもんと気を遣ったのでしょう。私は、友人でまもんまもん」

「ほう。じゃあ、あれか、お前が周平と一緒にエロ動画トークで盛り上がっていたことを亜子ちゃんに言ってもいいんだな?」

「――まもっ!?」

「知らないと思ったか? くはっ、くははははははははは! 甘い! 甘いんだよ、マモン! 部屋で男子トークとか言ってるの丸聞こえだからな! こっちは呆れて聞いてたよ!」

ちなみに周平は清楚系が好きらしい。

「ひれ伏せ、マモン。どちらが上司か教えてやる」

「――くっ、それは卑怯でまもんまもん! 男の子には時にはそういう時間が大切だってゴッドも言っていたでまもんまもん!」

「男の子って歳じゃねえだろ! そんなおっかない顔をして男の子自称するんじゃねえよ!」

このやりとりは、こっそり撮影されており後日編集されずに公開されて「何言ってんだ、こいつら?」とちょっと話題になった。

――青森はいつも通りだった。