作品タイトル不明
28「やべえのとやべえのが揃ったんじゃね?」③
(――加座間家なにやってんだぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!)
もっと他にやることあるだろう、と思う。
強い霊能力者を生み出すために、人外と掛け合わせ、取り込み、高みを目指す家だったはずが、まさか究極のショタっ子を生み出そうとしているとは、さすがに想像もできなかった。
(というか、究極のショタっ子ってなんだぁあああああああああああああああああああああああああああああああああ!? 青山の姐さんが離反するところまでは予想ができたぞ! おいおい、加座間家! ちゃんと悪いことしろよ! いや、悪いことしているのかもしれないけど、もっと他にあるだろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!)
千手は悶える。
叫びたいのに叫べないことがこんなに辛いとは思わなかった。
「ふふふ、そんなに感動してくれたんですね。わかります、七森さんも私たちと同じ匂いがします」
「おい、ふざけんな、まじでやめろ」
「誤魔化さなくていいんですよ。七森さんからは、鬼っ子大好きだけど素直になれないツンデレ系の匂いがします」
「どんな匂いだ!?」
「――っ、さすがショタエルフ侍らせてえさんだね。千手さんの隠された性癖をこうも見事に当てるとは……正直、感服するよ」
「それほどでも――あるわ。でも、人外っ子プリンスには負けるわね。君がこれほどの逸材を同志として迎えているなんて思いもしなかったわ」
「あ、誤解されてる。千ちゃんとても不愉快な誤解をされてる!」
このふたりから仲間を見るような視線を向けられるのが辛くてたまらない。
この場から全力で逃げ出したい衝動に駆られる。
「そこまでにしておけ、沙也加。これ以上、加座間家が誤解されると取り返しがつかなくなる。本当に、やめて。お願いだから、やめてね」
老いた声が響く。
電動車椅子が近づいてきた。
声の主に視線を向けた千手が、目を見開いて驚く。
「――加座間家当主、加座間源蔵」
「呼び捨てか、七森家の若造」
枯れ木のような老人は、にぃ、と笑った。
霊能力者として警戒する必要はない。
千手から見て、加座間源蔵は「そこそこ」でしかない。
由良夏樹、青山銀子、佐渡祐介、三原一登、安倍東雲、安倍円、神奈征四郎、神奈義政という規格外の人間が周囲にいる千手からすると、危険とは思わない。
ただ、八十を超えているはずの老人が、瞳に強い生命力を宿し笑っている姿は恐ろしいものがある。
ひとつの目的のために人生を捧げることのできる人間は、力の有無など関係なく、恐ろしい。
霊能力者になるために、人以外と交わり、掛け合わせ、血を濃くしてきた一族の当主は、ただそこにいるだけで謎の威圧感があった。
「……そう警戒をするでない。わしは誤解を解きに来た」
「誤解、だと?」
「そう、誤解だ。加座間家は、究極のショタっ子を生み出そうとはしとらん」
「――そこ!?」