作品タイトル不明
3「モスマンさん再びじゃね?」③
「急な訪問を受け入れてくれてありがとう。後日、チュパカブラ、ビッグフットを連れて挨拶にこさせてほしい。スカイフィッシュはちょっと難しいかもしれないが」
「いいっていいって、俺よりもサタンさんに挨拶しておきなって」
「いや、すでにご挨拶をさせてもらった。今日は由良夏樹くん、君に」
「そう?」
夏樹はモスマンの気遣いを嬉しく思うと同時に、そこまで気にしなくてもいいのにと思う。
小梅と銀子は「チュパカブラに続いて、ビッグフットってやばいじゃろ」「やべえっすね。目撃どころか至近距離で会えるとか探している人からしたら絶叫もんっすよ!」と来るその日に戦慄していた。
「一登くんにもよろしく伝えておいてほしい」
「了解! また一登にも会いにきてよ!」
「もちろんだとも」
モスマンは夏樹に握手を求めた。
「いろいろ迷惑をかけてしまった。そして、ありがとう」
「どういたしまして」
握手に応じた夏樹とモスマンはしっかり手を握り合う。
「次回は、友として遊びにこよう! では、また!」
名残惜しそうに手を離したモスマンは、窓を開けて向島市の夜空に飛翔した。
「……モスマンさん、なんて紳士なんだ。あの爛々と光る瞳も、よく見ればチャーミングに思えるから不思議」
「そうはならんじゃろう!」
「引き込まれるような何かがあるのは認めるっすけど、決してチャーミングではない気がするっす!」
「お願いしたら、モスマンさんの羽毛で羽毛布団って作らせてくれないかな」
「お、おどれはそんなこと考えとったんか!」
「非常識っすよ!?」
「やっぱり無理があるよね。布団だとたくさん羽毛が必要だし、ダウンジャケットにしようかな」
「かわらんじゃろう!」
「なんすか、その呪物みたいなダウンジャケット!? 普通に怖いっす!」
モスマンと会っている最中、羽毛の加工を考えていた夏樹に小梅と銀子はドン引きだ。
そもそも抜けた毛をもらうのか、頑張って引き抜いてもらうのかでも話が変わってくる。
「なんじゃかどっと疲れたんじゃ」
「そうっすね。モスマンさんが来るからってお酒を我慢していたっすけど、もう飲みましょうっす」
「そうじゃのう。今日は春子ママが仕事帰りに買ってきた季節限定のビールを飲む約束をしておったからのう。あまり待たせてはいかん! 早くいくんじゃ!」
「おう!」
銀子が勇ましく返事をすると、小梅と一緒にスキップしていく。
部屋に残った夏樹はベッドに寝転び考える。
UMAが魔族の保護下になったということは、サタンの配下になったともいえるだろう。
――つまり、古今東西のUMAにサタンの一声で会えるかもしれない。
「ちょ、わくわくがとまらないんですけど!」
UMAが大好きな夏樹は、コネを全力で使おうと決めた。