軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

47「ガープさんのお迎えじゃね?」

反省文を提出した夏樹は、下駄箱からスニーカーを出して履いていた。

「あ、いたいた、夏樹くん」

「おう、一登。杏さんも」

「う、うん。ちょうど一緒になったから」

待っていてくれた一登とあんずに軽く手をあげる。

杏が一緒にいるのは、おそらくだが、彼女を悪意から守るために一登が連れてきているのだろう。

今も、「どうして綾川が一登様とご一緒にいるわけ? あと由良も邪魔すぎぃ」という心無い言葉を吐く女子がいる。

三原優斗に入れ込みすぎて、我を忘れていた杏は反省し新たな日々を送っているが、周囲がそれをすぐに受け入れてくれるわけではない。

杏の言動に不快に思った者もいるだろう。

そんな生徒たちが、まだ杏を受け入れるには時間がかかるだろうし、悪意を向けてくる子もいるだろう。

しばらく守ろうと自然にできるのが、一登の良いところだと思う。

「アマイモンの出所だもんね、みんなで行こうか」

場所はリリスの喫茶店だ。

小梅と銀子、千手たちにも各自連絡してある。

水無月姉妹は「花子さんの修行に付き合わなければならないのでごめんなさい!」とすでに連絡が来ている。

残念だ。

「とりあえず、ゴッドのところ行こうか。ついでに、レベルアップのことも聞いてみよう。何か知っているかもしれないし」

「そうだね」

「うん」

「ていうか、さっき、またレベルアップしたよ。ついデンマーク語で叫んだら、反省文喰らったよ」

「……レベルアップしたのもびっくりだけど、急にデンマーク語が出てくるのもおかしいからね? 普通、日本人なら驚いた時に反射で出てくる言葉は日本語だからね?」

「え? 杏、ドイツ語出ちゃったんだけど」

「だからなんで!? このふたり、なんかおかしいよ!」

不仲ではあったが、一緒に生活した時間があったから似たのかもしれないと一登は思ってしまった。

だが、そうであれば、生活こそ一緒にしていないが共にいる時間はながい。

いつか自分の口から反射的に外国語が飛び出してくるのではないかと思うと、身震いした。

「まあまあ、些細なこと気にするなって!」

「些細かなぁ?」

「それよりも、俺って今、レベル幾つなのかきになるから、早くゴッドのところに行こうぜ!」

これには一登も杏も同意した。

自分たちもレベルアップを経験している身だ。

しかし、レベルが幾つになったのか、告知されていない。

ステータスオープンもできなかったせいもあり、気になって仕方がないのだ。

もし、夏樹がレベル5とかだったら、嫌だなぁ、と一登は思う。

規格外を通り越して神や魔族レベルで強い夏樹にまだ伸び代があると思うと、「やべ」と思った。

「おーい! 由良夏樹! 三原一登! 綾川杏!」

校門を出ると、ぱっぱーっ、とクラクションが鳴り、夏樹たちの名が呼ばれた。

視線を向けると、軽自動車に乗ったガープが手を振っている。

「せっかくだから迎えに来てやったぜ! 乗りな!」

「……ガープさんさ。名のある魔族なんだからかっこいい外車に乗れよぉ」

「うるせえ! 日本の道路を走るのに軽自動車は最高だろ! 中めっちゃ広いし! 快適だし! 日本車やべえだろ!」

明らかに新車の軽自動車に乗って満面の笑顔を浮かべる大魔族に、夏樹たちは苦笑しつつ、ご厚意に甘えることにした。