軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

間話「黒歴史が出版とかやばくね?」

――青森、某所。

「まもんまもん。これはこれは、先日はありがとうございまもんまもん。いえいえ、まもんまもんなことを、はっはっは! まもんまもん! はい、まもんまもん! では、そのまもんまもんで、まもんまもんしておきまもんまもん! はい、はい、では、まもんまもんします!」

欧州の魔族のくせに、電話をしながら何度もお辞儀をするマモンを、サマたんは信じられないものを見たような顔をしながら麦茶を飲んでいた。

「……常々不思議だったんだが、なぜ日本で生活しているとお辞儀が自然になるんだろうな」

「よいことでまもんまもん! ちょっとした会釈や、目配せ、お辞儀などは良いまもんまもんです」

「そうだけどさ」

「挨拶はもちろん、ちょっとした感謝の気持ちを伝えることは大事なまもんまもんです。日本人は普通にそれができるから――まもんまもん!」

「いや、一番大事なところをまもんまもんって言うんじゃねえよ!」

マモンはスマホを割烹着のポケットにしまうと、鼻歌を歌いながら夕食の支度を再開した。

「強面のマモンがご機嫌に鼻歌を歌っている姿はかなり怖いし不気味なんだけど……なんかいいことでもあったのか?」

「よくぞ聞いてくれまもんまもん!」

「めっちゃ聞いてくれってオーラだしてたもんな!」

口には出さないが聞いてほしいアピールが鬱陶しいマモンを無視すると、拗ねる。

拗ねたマモンは、子供よりも手がかかるので、サマたんはできるだけ我慢しながら構うようにしていた。

これも上司兼家族の務めだ。

「先日、このマモンにまもんまもんな出版しませんか、とまもんまもんと尋ねてきた見る目のあるまもんまもんな方がいたことはさまたん様もすでにご存知かと思いまもんまもん」

「私が全力で阻止したけどな!」

「実は、まもんまもんと水面下でまだそのお話が進んでおりまもんまもん」

「なんで!?」

「仕事は積極的に引き受けていくまもんまもんなスタイルですので!」

「お前、働きすぎだよ! ちょっとは休めよ!」

「亜子さんとのマイホームのためにお金を稼ぎまくるのでまもんまもん!」

「それこそ、お前の持っている金銀財宝を少し換金すりゃいいだろう!」

「まもんまもん! わかっていませんね、さまたん! このマモンが稼ぐからいいのです!」

「好きにしてくれ。んで、なんだ。書籍化に関して前向きに話が進んでいるってことか?」

もう止めるだけ無駄だとサマたんは諦める。

マイホーム資金という明確な理由があるのなら、うるさく言うのはやめようと考えた。

しかし、

「いえ、サマたん様の黒歴――――素晴らしい創作の出版を前向きにまもんまもんと検討してくださるようでまもんまもん」

「勝手に書籍化企んでんじゃねえよ! あと、今、お前、黒歴史って言っただろ! 黒歴史だって思うなら、世に出そうとするんじゃねぇええええええええええええええ!」

――青森は今日も平和だった。