軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

62「銀子さんの報告じゃね?」①

青山銀子は黒いスーツを身につけて、向島市警察署署長室にいた。

「――以上が、由良夏樹くんとみなさんの報告っす」

「おう」

執務机に座るのは向島市警察署署長であり、銀子の父である青山久志だ。

久志は、報告対象の由良夏樹とは幼い頃からの知り合いである。

その理由は、彼の母由良春子と同級生だったからだ。

銀子の母も同じであり、二人揃って春子の熱烈なファンでもあった。

「んじゃ、私はこれで失礼しまーっす!」

「待て」

「はえ?」

身を翻した銀子を父が止めた。

「お前な……こんなふざけた報告を俺が信じるとでも思ってるのか!?」

「いやいやいやいや!? 嘘じゃないっすよ! 報告書に公私混同はしないっす!」

「じゃあ、なんだ!? 美脚の神とか托卵の神とか河童大神とかマジでいるっていうのか!?」

「……河童大神だけは夏樹くんが言っているだけなので、ちょっとわからないっす」

「美脚の神と托卵の神がいるのか! 前者はさておき、後者は……やべえだろ! こんな神がいるから世界から悲しみが消えないんだよ!」

「そ、それを私に言われても困るっすけど」

「こっちだって困ってるよ! どこまでが本当でどこまでが創作だ!?」

「だーかーらー、全部本当だって言ってるじゃないっすか!」

報告をすべて事実だと言う銀子であるが、実際に一緒に夏樹とイベントを経験しているから信じられるが、父と同じ立場で報告されても信じなかっただろう。

だが、本当に起きた出来事なのだ。

「水無月家から最低限の報告は来ている。七つの大罪の魔族マモンのこともな。だが、まさかその後に、雷神トール、素盞嗚尊様、ぬらりひょん、異世界とかふざけてんのか! 春子さんよりイベントが多過ぎるだろ! まだ一ヶ月だぞ! 実際はまだ一ヶ月も経ってないんだぞ!」

「そ、それは私に言われても困るんすけど」

「あとちょいちょいまもんまもんとか出てくるのはなんだ!? ついでに佐渡祐介くんの言動が気持ち悪いのは誇張が入っているのか!?」

「まもんまもんはまもんまもんっすよ。祐介くんは、普通に気持ち悪い子ですね」

「そうか……気持ちの悪い子なのか。だが、大目に見てやれ。男の子なんて口にしなくても、同じようなことをハートで考えているもんだ」

「……心をわざわざハートっていう父親が気持ち悪いっす。めっちゃ説得力あるっす」

よくよく考えれば、久志も妻子がいる身でありながら春子を追いかけ続けているのだ。

祐介に負けず劣らずである。

「俺が一番気になっているのは、そこじゃねえ。ゴッドとか異世界とかってどういうことだ! なんで俺を異世界に誘わないんだ!」

「そこっすか!?」

「昨今の創作物を見ろよ! おっさんが活躍するだろ! 俺だって異世界で無双したい!」

ゴッドの存在よりも、異世界を羨ましがる久志に、銀子は「私の父親っすねぇ」となぜか納得してしまった。