軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

48「しょうもないイベントじゃね?」②

「よう、由良。三原。久しぶりだなぁ?」

長身で短髪の少年を先頭に、十人の体格のよい生徒たちがいた。

「…………」

「…………」

(……学生服をきているから中学生? えー、でもなんかみんな老け顔っていうか、なんていうか。もしかして、――イベント?)

自分と一登の名前は知っているようだが、夏樹はまったく覚えがない。

クラスメイトではないだろう。

同じ学校の可能性もあるが、異世界で数年過ごしていたので、同級生の顔は曖昧だ。

「おいおい、なに黙ってんだよ」

「よせって、十人を前にしてびびってんだよ」

「あんまりいじめんなよ」

「ははははははははははははは!」

まったく何が面白いのかわからないが、生徒たちは品のない笑い声をあげる。

夏樹は急に笑い出すおかしな人間と関わるつもりはないので素通りしようとした。

「お前、何素通りしようとしてんだよ! ああ!?」

ひとりが夏樹の腕を掴んだ。

一登が「あちゃー」と天を仰ぐ。

「――俺に触るな」

威圧の込められた低い声だった。

魔力も何も使っていない。

ただ夏樹が睨んだだけ。

「あ、ああ、あ…………あ?」

たったそれだけで、夏樹の腕を掴んだ少年は白目を剥き、失禁して倒れた。

「何をしやがった!」

「……そりゃこっちのセリフだよ。いきなり、人の名前を馴れ馴れしく呼んで、腕を掴んだ挙句、急に失禁しやがって。どんなプレイだ?」

「由良ぁ!」

「だから、お前はどこの誰なんだよ! まず、名乗れ!」

「――え?」

短髪の少年は心底驚いた顔をした。

「え?」

「嘘だろ」

「笑えねえよ」

「由良の顔、マジだぜ」

「……あ、なんか悲しくなっちゃった」

男子生徒たちが、夏樹が本気で自分たちのことを知らないのだと気づいてしまい、落ち込んでいく。

「おま、ふざけんな! 俺のことを知らないとか、同じ中学でありえないだろう!」

「ええ? 何その、有名人なんですけどぉ、みたいな感じ。きもーい」

「……三原、お前は俺のこと知ってるよな? 知ってるよ、な?」

短髪の生徒は願うように一登に問いかける。

一登は困った顔をしながらも頷いた。

「男子バスケ部の部長さんですよね」

「そう! そうだよ! よかった! 覚えていてくれてありがとう!」

「い、いえ」

よほど嬉しかったのか、短髪の生徒――男子バスケ部部長は、泣きそうな顔で一登にお礼を言った。

(……名前は覚えていないけど、認識されていればいいんだ。面倒臭え奴。ていうか、こいつら一般人じゃなくね?)

うっすらとだが力を感じる。

霊力や魔力とは違う、また別の力だ。

「というわけで、俺が誰かわかったな? 由良!」

「男子バスケ部の部長様だね!」

「そうだ! 俺は男子バスケ部部長! 小島村だ!」

「うっす! 自己紹介ありがとう! じゃあね、大村島くん!」

「おう! じゃあな! って、ふざけんなよ! 小島村だっていってんだろ! あと帰ろうとするな! 俺がバスケ部部長ってわかったなら、由良にどんな用事があるのかわかるだろ?」

「……まったくわからないんだけど」

「……嘘ぉ」

「ていうか、お前さ。さっきからまどろっこしいんだよ! 用事があるならさっさと言いやがれ!」

我慢強く話を聞いていた夏樹だったが、いろいろ面倒くさくなって小島村の股間を爪先で蹴り上げた。

「あびょじばめるろんぽぴっ!?」