軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

【過去編】「まもんまもんな出会いじゃね?」①

――魔界幼稚園。

まだ魔族も神々も争いばかりをしていた頃の話だ。

――マモンという、それはそれは可愛らしい少年がいた。

魔族と神々、天使の子供たちが試験的にひとつの施設に集められ、教育を受けることを目的としていた。

当時に、平和的な考えを持つ魔族や神々によって血筋のよい魔族、神、天使の次世代を友好的に育てようとする試みだ。

しかし、やはり種族の壁はあった。

とくに、各勢力たちが争いを続けているのだ。

その影響は子供たちにも十分すぎるほどだった。

「ううっ」

幼稚園の片隅で泣いているのは、マモンだった。

灰色の髪をおかっぱにした瞳が大きな可愛らしい少年だった。

同時に、天使であるため正義感が強く、園児たちの喧嘩の仲裁をしたり、困っている子を率先して助けたりしていた。

すると、いじわるな子たちに目をつけられてしまうのは仕方がないことだった。

マモンは物を隠されたり、仲間外れにされたりするようになった。

それだけならまだ気にしないようにしていたが、暴力的な子供に殴られたり蹴られたりするようになったのだ。

これには、心優しいマモンの心に大きなショックを与えたのだ。

せめてもの抵抗で、人前では泣くものかと幼稚園の片隅で隠れて泣いていたのだ。

天使だって辛いものは辛い。

泣きたい時は泣きたい。

だが、マモンは涙こそ流しても声を出さずに泣いた。

負けた気がするから、悔しいからだ。

「――なにやってんだ、お前?」

「え?」

黒髪をポニーテールにした魔族の園児がそこにいた。

「え? じゃねえよ。なんで泣いてんだよ? ていうか、お前さっき馬鹿共に殴られてた奴だな」

「――う」

「なんだ、殴られて泣くだけか。情けねえ、天使なんてそんなもんか?」

「で、でも、暴力はよくないって」

「暴力で訴えてくる奴に暴力以外は通じないんだよ。それが魔界の、魔族だ。お行儀の良い天使様とはちげーんだ」

「な、なら、どうすればいいの?」

「俺様と一緒に殴りに行こうぜ!」

――これが魔族サマエルと後に堕天する天使マモンの運命の出会いだった。