作品タイトル不明
17「いつるさんの事情じゃね?」⑤
「な、何が、師匠に何があったの?」
「――ハーレムを築いてしまったばかりに、女性たちのギスギスした空気です」
「あー」
「特に、星を失ったとはいえ王女であった方が第一王妃となったのですが、まあ、嫉妬深い嫉妬深い!」
「いー」
「孫の私にも嫉妬するのです」
「うえー」
「女性陣たちは割と仲良くやっているのですが、おじいちゃんが絡むとギスギスしてしまうんです」
「おー」
「ちゃんと聞いてますか?」
「うっす!」
どうやら師匠のご家庭は複雑のようだ。
「というわけで、その一番嫉妬深いおばあさまから星槍と片割れの名無しを破壊するように命令されているわ」
「なんで!? 関係なくね!?」
師匠の奥さんがなぜ星槍さんたちの破壊命令を出すのか、さっぱりわからなかった。
いつるは「やれやれお子様ね」と肩を竦める。
「嫉妬深いおばあさまが、おじいちゃんと一緒にいた星槍と名無しを放置するわけがないじゃない」
「ひでぇ! ひでぇよ! いつるさんのおばあちゃんひでえよ!」
「あと君も星に連れてくるように言われているわ」
「…………嫌だよ?」
「安心して。私もおばあさまのわがままに付き合うつもりはないわ。ただ、一応、形式的に星槍とはガチバトルさせてもらうけれど」
「一応でガチバトルするの!?」
「手を抜いたとバレたらあとで面倒臭いのよ。おばあさまはおじいちゃんに次ぐ実力者だから」
「うわ、めんど」
「でしょう?」
絶対にお呼ばれしたくない星だ。
ジャックと一登と初めて宇宙に出たときの感動と、好奇心を全く感じない宇宙があるとは思いもしなかった。
「参考までに聞きたいんだけど、師匠のハーレムって何人くらいいるの?」
「――聞いて驚きなさい。その数、五十人!」
「しゅごい!」
「内、男の娘が三人!」
「しゅげぇえええええええええええええええええ!」
「宇宙パワーでちゃんと子供もいるわ!」
「しゅ、しゅごしゅぎぃ!」
さすが師匠だ、と夏樹は感服した。
ただ、まったくもって羨ましくない。
異性の中に師匠一人だとさぞ居心地がわるかっただろう。
夏樹も、小梅と銀子が母とリヴァ子を巻き込んで女子トークを始めるとサタンと一緒に部屋に逃げている。
男子中学生には荷が重いのだ。
「そんな中で一番やばいのが、おばあさまよ。星一番の嫉妬深さを持ち、星一番のヤンデレ! それが現在、星を仕切るおばあさまよ」
「嫌な星だなぁ。もしかして地球に来たりしないよね?」
「さすがにおばあさまでも難しいわね。私はギャラクシー流とおじいちゃんのサポートを受けてこっちに来たから」
「え? じゃあ、帰れるの?」
「なぜ?」
夏樹の疑問に、いつるは不思議そうにした。
「だって、師匠はもう亡くなったんだから、帰るにあたってサポートが受けられないんじゃ」
「――――――――あ」